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デング熱=死者591人、14州で流行=今年の患者は去年の7倍

デング熱などを媒介するネッタイシマカ(Divulgação/Fiocruz)

 保健省が11日、8月24日現在のデング熱患者は143万9471人で、昨年同期の7倍(599・5%増)と発表したと11、12日付現地紙、サイトが報じた。
 26州と連邦直轄区の内、昨年同期より患者が少ないのはアマパーとアマゾナスの2州だけ。患者が増えた25の自治体の内、9州と連邦直轄区の患者は昨年同期比で1千%以上増えている。
 患者数最多はミナス州の47万1165人(昨年同期比で19倍)で、患者増加率が最も高かったのはサンパウロ州の37倍だ。サンパウロ州の患者は43万7047人で、州別患者数では2番目。これら2州の患者は全体の63%を占め、南東部を地域別の1位(総数99万9178人)に押し上げた。
 以下、州別患者上位5州には、ゴイアス(10万8079人)、エスピリトサント(5万9318人)、バイア(5万8956人)が続く。
 南東部以外の地域別患者数は、中西部19万2403人、北東部17万7677人、南部4万3323人、北部2万6890人となっている。
 なお、患者の発生率は、連邦直轄区の1194・4人/10万人が突出している。
 今年の患者数は既に、1998年の統計開始以来、4番目に多い。過去最高は2015年の168万8688人(年間)で、16年150万535人、13年145万2489人がそれに続く。
 また、今年のデング熱の死者は591人。この点でも、15年の986人、16年の701人、13年の674人に次ぐ4番目だ。
 保健省は、デング熱同様にカが媒介するチクングニア熱とジカ熱の患者についても報告を行ったが、チクングニア熱の患者は7万6472人が11万627人に44%増加。ジカ熱の患者も、6669人が9813人に増えている。
 また、チクングニア熱では57人、ジカ熱では2人の死者が出ており、3種の病気による死者は650人に上った。これは1日に2・7人が死亡した計算になる。
 デング熱患者急増は、従来の1、3型に加えて2型のウイルスが広がっている事、南東部の気温が上がり、雨も多かった事などが原因だ。保健省は患者数の発表と共に、例年より2カ月早い啓蒙キャンペーンも始めた。

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