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日伯で文協支援5万3千レ=第5回「さぁ~始めよう」=出演者もお金払って舞台に

出演者、関係者ら

 日本の歌手中平マリコさんが呼びかけた芸能イベント「第5回さぁ~始めよう みんなで手を取り手を結び、文協文化ホールを完成させよう」が1日午後、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で開催された。約150人が出演、800人が来場し、会場は終日盛り上がりを見せた。文協ビル地下の文化ホール改修資金援助のため開催されており、今回5万2501レアルが集まった。

 出演者も来場者と同じく入場料30レを支払い、イベント運営を務めたBKCグループも破格の料金で協力。文協青年部もサポートに回った。中平さんが日本で約1万5千レを募り、ブラジルでの寄付、同イベントの入場料を合わせ、イベントのパンフレット製作など経費5775レを差し引き、4万6726レが文協に寄付された。
 芸能プログラムは各団体同じ出演時間で、最初は前の団体と、終わりは次の団体と共演して入れ替わっていく演出。中平さんの「人は一人では生きていけない。互いの素晴らしいところを引き出してほしい」との思いが込められている。
 出演者一同で中平さん作詞作曲『さぁ~始めよう』を合唱して開演。中平さんはデビュー曲『だから雨が好き』で登場すると、客席も手拍子で応じ、『手渡された110年…未来へ』など5曲を披露。惜しみない拍手が送られた。
 ミリアン大刀(おおたち)コーラスは童謡や『涙そうそう』を奏で、ブラジル健康体操協会はメンバーが客席も囲んで踊りを見せ、観客を大いに楽しませた。
 玉城流扇寿会斉藤悟琉舞道場は、若い女性に目がない老父「アブジャーマ」のこっけいな動きが会場の笑いを誘った。斉藤悟代表も優雅な舞いを披露し、花を添えた。
 花柳流金龍会は優美な日本舞踊を見せ、在伯島根県人会は「安来節」に乗せ、捕まえては逃げられ、表情豊かに一喜一憂する「どじょうすくい」の滑稽な踊りに客席はどっと沸いた。
 西村武さんは亡母への思いを歌った『かあちゃん』、定番の『乾杯』を熱唱。桜吹雪和太鼓の迫力ある演奏や、リンス本願寺アソカ学園生徒の演舞に、会場の歓声がやむことはなかった。
 最後は『イペ音頭』で、野口泰在聖総領事や出演者一同も登壇、会場は一体となって楽しんだ。中平さんは「私の心は日系人。日系社会の皆さんが大好きです」と感涙を見せた。呉屋春美文協前会長は「がんばるマリコさんを見て、私たちも何かしなければと行動するようになった」と謝辞を述べた。西尾ロベルト義弘副会長も「文協に協力しようという皆の気持ち、文協が日系社会の居場所だと思う機会を作ってくれた」と感動の思いをしみじみ語った。
 島根県人会で銭太鼓を披露した國武ビニシウス晴男さん(20、三世)は「二、三世と日本文化を結ぶ良い機会となり、文化ホールだけでなく日本文化の普及にも役立っている」と充実した表情。来場した水上真由美さん(89、二世)は「日本にも日系社会を思ってくれる人がいると感じられて嬉しい」と笑顔を浮かべた。
 呉屋前会長、上辻照子さんと友人らも前日から関係者約400人分の昼食を用意。開演前に関係者らはにぎやかに昼食をとり士気を高め合った。


□関連コラム□大耳小耳

 中平マリコさんは「文協と、日系社会の皆さんと共に歩みたい」と文協に昨年入会した。さっそくつけられた役職は「会長補佐」。「来年からサンパウロ市の文協を拠点に、地方文協でも積極的に活動したい」と意気込みを語った。聞けば10月の帰国後もコンサートの予定が決まっており、ブラジルのことを伝えるつもりだそう。「ブラジルの先人たちのことを日本で伝え、日伯をつなげたい」と、今後の活動に対する気合いも十分だ。
     ◎
 中平マリコさんは来伯してから、隣国パラグアイへも足を伸ばして公演を行った。しかしパラグアイには、ブラジルの日伯福祉援護協会が持つ高齢者福祉施設のような場所がなく、個人宅に集まってもらってコンサートを行ったそう。ブラジルへ戻った後、中平さんは「日本から来る人は、サンパウロ州かせいぜいパラナまでしか来ない。田舎の方に住んでいて、体の弱いお年寄りは遠くへ行けず、コンサートにも来られない」という声を耳にし、「自分の歌を本当に求めている人は、知らないだけでまだ多くいる」と感じ、地方での活動に力を入れようと思い立ったという。援協では巡回診療を行っているが、中平さんの活動も「巡回する心のセラピー」と言えるかも。

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