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《ブラジル》ボウソナロ国連演説を環境関係や先住民が批判=問題視された「謎の女性」=国際的孤立を危惧する声も

24日のボウソナロ大統領(Alan Santos/PR)

 ボウソナロ大統領が24日に行った国連総会での演説は、環境団体や先住民団体などからの強い反発を招き、ブラジルが孤立化することを恐れる人たちも出はじめている。25日付現地紙、サイトが報じている。
 今回の演説に対する連邦政府や関係者の反応は、「素晴らしい」(アミウトン・モウロン副大統領)や「世界を相手に勇気ある演説を行った」(オニキス・ロレンゾーニ官房長官)、「ブラジルの独立の日だ」(フラヴィオ・ボウソナロ上議)などとなっており、関係者内での受けは良かった。
 だが、対抗政治勢力からは、今回の演説は「不適切で良心に欠けた内容」(ジョアン・ドリアサンパウロ州知事)で、「環境問題に関して嘘をついた」(グレイシ・ホフマン・労働者党党首)など、批判が飛んだ。また、環境団体や先住民団体からも、強い批判が起こっている。
 環境団体では、グリーンピースのコーディネター、マルシオ・アストリーニ氏が「アマゾンを保護する姿勢を見せようとしながら、実際は国外の鉱業会社と先住民地区の開拓について話し合っており、環境犯罪撲滅への活動を弱体化させている」と指摘した。
 また、気候変動に関する問題を取り扱う37団体の連合「気候観測(Observatorio do Clima)」も「ボウソナロ大統領はイデオロギーの下に、環境問題では常に指導的な立場だったブラジルの誇りを奪い去り、ブラジルに恥をかかせた」と強く批判している。
 また、先住民の間でも強い反感が起きている。それは今回、ボウソナロ大統領がイザニー・カラパロ氏という若い女性を国連に連れて行き、「開発を望んでいる先住民の代表者」として総会の場にも立たせたためだ。
 シングー川沿いに住む16部族をまとめる団体は演説後すぐ、「我々はカラパロ氏を先住民の意見を代弁する存在として認めない」との声明を発表した。
 また、ブラジル先住民連合(連絡委員会、APIB)の代表4人も、24日にニューヨークで記者会見を開き、「カラパロ氏は大統領の価値観を代表しているだけであり、我々の意見を代弁してはいない」と批判した。さらに、「ノーベル平和賞候補にもなったラオーニ酋長を侮辱した」と遺憾の意を示した。
 カラパロ氏は既に、複数のメディアで「親ボウソナロ派の先住民ユーチューバー」と報じられている。
 外務省で40年以上働き、国連貿易開発会議を率いたこともあるルーベンス・リクペロ氏は、今回の演説は「惨憺たるもの」と評価。今回の演説が自由貿易協定や外国人投資家との関係に否定的な影響を及ぼす可能性を指摘し、「農産物貿易でブラジルが孤立しないか心配だ」と語っている。

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