ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》軍投入でアマゾンの火災減少=先住民保護区などは増加傾向=他の植生での火災は収まらず

《ブラジル》軍投入でアマゾンの火災減少=先住民保護区などは増加傾向=他の植生での火災は収まらず

森林火災増加の主要因は現政権の開発容認政策と訴える人々(9月22日の聖市で、Roberto Parizotti)

 ボウソナロ大統領が10日、サンパウロ市で開かれたブラジル投資フォーラムで、アマゾンを訪れるよう、参加者を招いたと同日付現地紙サイトが報じた。
 「新聞やテレビは現実を伝えていない。アマゾンは非常に美しく、完全に保持されている。この土地はブラジルの資産だ」と前置きした後、大統領は「我々は我々のアマゾンを持続可能な方法で開発したい。アマゾンが持っている良いものが、我々と人類に役立つようにしたいんだ」と語った。
 現政権は8月以降、特に、国立宇宙研究所(Inpe)のデータを疑問視し、「非政府団体(NGO)が森林火災を起こしている」と発言するなどで物議を醸し、フランスのマクロン大統領との丁々発止もあった。
 だが、農牧族議員や国際社会からの圧力を受け、森林火災抑制策を発表、軍派遣も決めた。また、9月の国連総会では「アマゾンはほとんど無傷で保たれている」と弁護し、「アマゾン保護と持続可能な開発は公約であり、ブラジルは世界で最も環境を保護している国の一つだ」とも主張した。
 8月下旬に発表された森林火災抑制策の効果もあり、アマゾンだけ見ると、9月の森林火災は1万9925件で、昨年同月の2万4803件より減った。ただ、他の植生での火災は、カアチンガが2820件と2827件で微増だった他は、セラードでは1万1467件が2万2989件で倍増、大西洋岸森林では2309件が4333件で1・9倍、パンパでは67件が273件で4倍、パンタナルでは785件が2887件で3・7倍と、軒並み増加した。
 また、9月1~19日の法定アマゾンの伐採面積は1173・11平方キロで、昨年同月全体の739・4平方キロより58・65%増え、15~18年の月間平均を101・5%上回った。
 さらに気になるのは、法定アマゾン内の先住民保護区(TI)やその周辺での火災増加傾向だ。1~9月のTIでの火災は5242件で、2010年の7451件より少ないが、11年の2680件や18年の2544件の倍だった。
 また、TIから5キロ以内での火災も増えており、5キロ以内での火災件数は399件で1位、TI内の火災も20位以内のカリプナ族の保護区(ロライマ州)では、サントアントニオ発電所の建設工事が佳境に入った15年以降、保護区への侵入や森林伐採が増え始め、18年以降は伐採後の土地を分譲する動きさえ起きている。15年以降のTI周辺の森林伐採面積は20平方キロを超え、6月には侵入者9人が逮捕されている。

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