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■訃報■ブラジル日本移民研究=森幸一USP教授

森幸一USP教授

 サンパウロ大学(USP)哲学文学人間科学部東洋語学科博士教授の森幸一さんが21日午後2時半頃、聖市ピニェイロス区の自宅で心臓発作のために急逝した。享年64。22日午前から通夜が市内で営まれ、午後4時からイタペセリッカ・ダ・セーラのオルト・ダ・パス墓地で葬儀の上、埋葬された。22日午前時点で初七日、四十九日法要などは未定。
 森さんは1955年4月14日に栃木県宇都宮市に生まれ、明治大学卒業後に同大学院政治経済研究科博士課程前期に入学、83年4月から日本ブラジル交流協会第3期生としてUSP・サンパウロ人文科学研究所に留学。元パ紙編集長の斉藤広志USP教授に師事し、遺作となった『異文化の中で五十年』の執筆を手伝った。
 沖縄のシャーマン(ユタ)研究をする大橋英寿東北大学教授(当時)や、前山隆静岡大学教授(当時)からは移民を研究する文化人類学者としての薫陶を受けた。
 86年からはJICA開発青年制度を通して人文研で日系人口調査コーディネーターとなり、移民80周年で「122万8千人」という数字を発表した。以後これをベースに加算する形で現在の190万人が算出されている。
 2001年には東北大学大学院で博士号を取得。2003年1月に人文研所長、同4月からUSP教授に。日本の大学との共同研究プロジェクトに多数参画し、沖縄県移民を軸に、日系食、デカセギ現象など幅広く日本移民の研究をおこない、著書・共編は31冊、研究論文は和文72編、欧文19編を数えた。日本の大学との学術提携の仲介をし、多くの学生を日本留学に送り出すなど日伯交流にも尽くした。
 その他、07年から日本語版ブラジル日本移民百年史編纂委員会の委員長の重責を務め、『ブラジル日本移民百年史』全5巻中4巻までを完成させた。
 ブラジル日本移民研究の第一人者として、これからが脂の乗り切った時期と期待されていたが、奇しくも恩師斉藤教授と同じ64歳での他界となった。

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