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県連故郷巡りアマゾン=90周年に沸く「緑の天国」=(15)=青森県議がアマゾン移住

山中正二さんと工藤ファビオ昭麿医師

 9月14日夜、ベレン市内の平和劇場(Teatro da Paz)で「アマゾン日本人移住90周年記念式典」(生田勇治祭典実行委員長)が開催された。故郷巡り一行も記念式典に出席するために、午後6時半頃に同劇場へ到着した。
 指定された席に辿り着くと、アマゾニア日伯援護協会(山本ジルベルト会長)の理事で血管外科医である工藤ファビオ昭麿(あきまろ)医師と再会した。工藤医師には、記者が書いた「アマゾン90年目の肖像」という連載で世話になった。
 「青森県会議員だった祖父について、山中さんが知っていますよ。会ったこともあるそうです」と工藤医師にパラー日系商工会議所の山中正二副会頭を紹介してもらい、前回少しだけ話を聞いた故・工藤一成さんについて教えてもらった。
 工藤医師の祖父・一成さんは、青森県会議員だった。昔JAMICで働き、移住事業に携わっていた山中副会頭は、「一成さんは、移住前にもアマゾンまで視察に来たんですよ」と当時の様子を語り、更に「自分より先に、息子2人(1人は工藤医師の父・昭南(しょうなん))がアマゾンに移住した」という。
 後日、当時の状況について工藤医師の母・栄子さんに聞くと、「義父の一成は、南米や移住事業に興味があったようなんです。県会議員時代に、移住者を引率してトメアスー移住地に訪れて、気に入ったようで。でも自分は年だったので、2人息子をそれぞれ夫婦で移住させたんです」と説明する。
 父の思いを受け止めた兄・公論(こうろん)さんと弟・昭南さんは、1966年に第二トメアスー移住地へ入植した。工藤医師は、「父は東京農業大学を卒業しているんですが、それも祖父の勧め。移住を念頭に置いていたそうです」と話しており、かなり計画的な移住だったようだ。
 その後、一成さんも日本の財産を全て処分し、73年に移住した。既に高齢だったため、トメアスーではなく、ベレン市に近いパラー州イガラッペアスー市で1200ヘクタールの土地を購入。山中副会頭によれば、「普通の移住者に比べて大きな家で、さすが議員さんという感じでしたね」と思い返す。
 移住した時は一大ニュースになったそうで、「日本の新聞にも邦字紙にも報じられたんです」。また、孫の日本語教育を考えて大量の本を詰めて移住したらしく、栄子さんは「昨年やっと必要な分だけ残して処分したんですよ」と笑う。
(つづく、有馬亜季子記者)

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