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《ブラジル》ボウソナロとモロが一触即発 治安省設立案をめぐり 「強行なら辞める」と法相 1日で撤回した大統領

ボウソナロ大統領(右)とモロ法相(Agencia Brasil)

 ボウソナロ大統領は23日、治安省設立の構想があることを公に認めた。だが、その直後に、セルジオ・モロ法相が法務省が国の治安の担当であることを理由に強く反発。辞意もほのめかしたことから、大統領が一転して治安省構想を否定する事態が起きた。24日付現地紙が報じている。

  治安省はテメル政権の時に開設された省庁だ。だが、同省はボウソナロ政権設立時に、ラヴァ・ジャット作戦担当判事として人気だったモロ氏を法相に迎え入れるため、法務省の権限を強めるべく、吸収合併された。

 だが、22日午前、各州保安局の代表者たちがブラジリアで会合を行うのに先立ち、ボウソナロ大統領がアンデルソン・グスタヴォ・トーレス連邦直轄区保安局長を呼びつけた。

 保安局長会議の主な議題は治安対策のための資金援助の要請だった。だが、トーレス保安局長はこの席で、同日午後、大統領が保安局長たちと会う可能性があることと、その会合の目的は「治安省を設立する可能性について話すため」だと告げた。

 これを受け、治安省復活の是非を問う投票も行われたが、その結果は、賛成11、反対9で拮抗しており、充分な討議も行われなかった。

 しかし、ボウソナロ大統領は同日午後、保安局長らを迎え、局長会議の要請は資金増額であることなどを確認しただけでなく、「治安省復活に関しては早急に検討し、返事を出す」と結んだ。大統領は、この会議の内容をソーシャルネットワーク上で公表している。

 これを受け、メディアは23日朝、大統領府前で大統領にこの件について質問。大統領は、「理屈から言って、モロ氏は当然、反対してくるだろうが」と発言し、治安省復活に前向きの姿勢を見せた。また、「モロ氏を法相に招いた時点では治安省との合併は構想になかった」とも語った。

 だが、24日、大統領は外遊先のインドのホテル到着後のインタビューで、「治安省設立の可能性は現時点ではゼロ」と答え、急に撤回した。

 この背景には、モロ法相が治安省を法務省から切り離すことに強い難色を示し、「それが本当に行われるなら、自分は辞任したい」と洩らしたことがあったとされる。

 伝えられているところによると、ボウソナロ大統領とモロ法相の仲は昨年8月頃から危うくなっていた。モロ氏は当時、法務省の管轄だった金融活動管理審議会(COAF、現中銀財務情報部)が経済省の管轄下に移されたことに関するジアス・トフォリ最高裁長官の発言を批判し、解任直前まで行ったが、アウグスト・エレーノ大統領府安全保障室(GSI)長官が大統領を思い止まらせたという経緯がある。

 また、モロ法相は世論調査で大統領よりも人気があるが、20日のテレビ番組に出演した際、22年の大統領選出馬の可能性について訊かれたモロ法相がその可能性を否定しなかったことも、ボウソナロ大統領を苛立たせたのではないかとの憶測が飛んでいる。

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