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日本語センター=涙の修了式、汎米教師研修会=非日系半数、「貴重な2週間」

第34回汎米日本語教師研修会の参加者と教師、来賓ら

 ブラジル日本語センター(日下野良武理事長)主催の「第34回汎米日本語教師研修会」の閉講式が25日午前11時、サンパウロ市ヴィラ・マリアーナ区の同センターで開催された。今年はブラジルを始め、ペルー、ボリビア、ベネズエラ、コロンビア、パラグアイの6カ国から16人の教師が参加して2週間研修を行った。閉講式直前の「振り返りの時間」で研修期間を振り返ってコメントをする際、感激のあまり涙ぐんでハンカチを貸し合う場面も見られた。

 「研修の途中で移民史料館を見学に行き、今まで日本語や日本文化が残ってきたのは、移民の皆さんが頑張ってこられたおかげだと感謝の気持で一杯になった。この思いを生徒に伝えたい」。ブラジリアから参加した川村賢三さんはそう振り返り、「日本語を教える技術だけでなく、人間としての成長につながる勉強をさせてもらった」と同センターの教師陣に感謝の言葉をのべた。

 涙を流しながら今回の経験に感謝する参加者の姿もちらほら見られた。中南米の日本語教師が研鑽を深めるこの研修会では、今回から非日系教師の参加が可能になり、半数を占めた。

 閉講式の冒頭、日下野理事長はあいさつで「皆さんの目がキラキラしている。真珠のようにキレイな涙でした。その気持ちを生徒にぶつけて、生徒がいつか日本語教師になって、ここへ来るように育ててください」とエールを贈った。

 来賓のJICAブラジル事務所の門屋篤典(かどや・あつのり)次長は「自分の国に戻っても、この研修を思い出して。ここに集まった皆は、友人以上の仲間。これからも助け合って」と呼びかけた。

 一人ひとりに修了証書が授与され、参加者を代表してパラナ州マリンガーの井出リエさんは「とても意義深い研修だった」、パラー州ベレンの越智日伯学園から参加したロドリゴ・デ・ブリットさんは「とても貴重な2週間だった。お互いにまったく知らなかったが、少しずつ悩みを共有し、協力し合う体験ができた」などと感想を述べた。

 その後、全員で記念撮影をし、それぞれがスマホでセルフィー(自撮り写真)を撮りあった。

 アマゾナス州マナウスの西部アマゾン日伯協会の日本語学校で教師をするマルチンス・シルヴァ・ウェンデルさん(31)に聞くと、生徒数は約700人で7割が非日系、教師と助手は約30人で4割が非日系だという。「2006年頃にヤマハの工場で働いていて、日本人駐在員と最初は英語で話していたが、だんたん日本語を覚えて好きになった」とのこと。

 鹿児島大学に1年間留学し、現在はアマゾナス州連邦大学日本語学科で勉強をしながら、日本語教師もしているという。「他の先生の教え方を見せてもらい、とても参考になった」と喜んだ。

 ロンドニア州ポルト・ベーリョのロンドニア日伯文化協会の日本語学校で教えるナイアラ・テラさん(28)は、日本料理が好きで日本語を勉強するようになった。「私は野菜を食べない子供だったので、母が一計を案じてスキヤキを作った。それを私が気に入って野菜を食べるようになったの。今ではすしも大好物」とのこと。「研修で他の先生のやり方を教えてもらったので、ぜひ実践してみたい」と目を輝かせた。

 

□大耳小耳□関連コラム

 

 ベネズエラから汎米日本語教師研修会に参加したのはホセ・グレゴリオ・ドゥアルテ・リバスさん(22)。首都カラカスのCentro Venezolano Japonesで教鞭をとって1年だという。生徒数は8人。きけば、日本語の恩師である日本人移民が昨年、米国に転住してしまったため、「その学校を守るために引き継いだ」という。その日本人移民はベネズエラ在住50年だったが、マドゥーロ政権下でどんどん治安や経済状態が悪化していくのを受け転住を決意したとか。「大好きだった先生が作った学校なので、私たちが守ります」とホセさん。日本語学習歴はわずか4年だが、気合は十分なようだ。

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