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《ブラジル》渦中のミリシア首領殺害 大統領一家と密接な関係 長男やマリエレ事件の謎抱え

アドリアーノ氏の事件を伝える9日付G1サイト

 リオ市のミリシア(犯罪者の民兵組織)の大物で、ボウソナロ大統領長男フラヴィオ上議との関係が度々ささやかれ、18年3月のマリエレ・フランコ元リオ市議殺害事件への関与も疑われていたアドリアーノ・ダ・ノブレガ容疑者(43)が9日未明、バイア州で行われた捜査で銃弾を受け、多くの謎を残したまま、死亡した。10日付現地紙が報じている。

 アドリアーノ容疑者殺害は、バイア州エスプラナーダで9日未明に起きた。場所は同市市会議員のジウソン・バチスタ・リマ・ネット氏(通称ジウシーニョ・ダ・デデ、社会自由党・PSL)所有の農園で、アドリアーノ容疑者は、リオ州市警諜報部とバイア州軍警特殊部隊(BOPE)の合同捜査で銃弾を受けて負傷。病院に運ばれたが、搬送中に死亡した。受けた銃弾数などの詳細は明らかにされていない。

 アドリアーノ容疑者はリオ市西部リオ・ダス・ペドラス地区を支配していたミリシアの首領で、昨年1月に同地区の土地の違法売買などに関与した容疑で逮捕令状が出たが、逃亡中だった。今回の合同捜査は同氏の居場所が確認されたために行われたものだった。

 現場には、9ミリ口径の拳銃やライフルを含む銃4丁と携帯電話13個が残されていた。なお、デデ氏はアドリアーノ容疑者と面識がなく、事件時はペルナンブッコ州レシフェにいた。現場となった農園には15~20日前に行ったきりだったという。

 バイア州市警は1月31日に、アドリアーノ容疑者が同州のリゾート地区コスタ・ド・サウイペにいることを突き止め、逮捕しようとしたが、同容疑者は事前に逃げてしまっていたという。

 アドリアーノ容疑者はかつて、リオ軍警の特殊部隊(BOPE)の隊長をつとめていたが、2014年に賭博に絡む不正で懲戒免職された後、リオ市西部における大物ミリシアとなっていた。

 同容疑者は、軍警時代の2004年に殺人事件で逮捕され、19年の実刑判決も受けるなど、3回逮捕されている。だが、2005年に、当時下議だった現在のボウソナロ大統領が同氏を議会で擁護。2003年と04年には、リオ州議だったフラヴィオ氏の推薦で表彰も受けている。

 また、現在捜査が進んでいる、フラヴィオ氏のリオ州議時代の幽霊職員(ラランジャ)たちによる、同じくラランジャのファブリシオ・ケイロス氏への巨額振込み事件には、同容疑者の母親と妻も関与していたことがわかっている。

 また、マリエレ・フランコ氏と運転手のアンデルソン・ゴメス氏殺害事件も、19年3月に殺害実行犯が逮捕される前まで、同容疑者が関与しているとされた殺人集団の犯行と見られていた。

 アドリアーノ容疑者の弁護士によると、5日に同容疑者からの電話を受け、初めて話したが、同容疑者もその妻も「口封じのために殺されるに違いない」と焦っていたという。

 

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