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《ブラジル》セアラー州=軍警ストで殺人事件急増=48時間で51件も発生

地元軍警と交渉しようとして銃撃されたシジ・ゴメス氏(Twitter)

 【既報関連】19年12月以降、給与調整額に不満を持つ軍警や消防士達がストや抗議行動を起こした州は5州、州政府と衝突が起きた州は7州に上っており、その中で最も深刻なセアラー州では、軍警がストに入ってからの48時間で殺人事件が51件起きた。
 セアラー州での緊張状態が際立っている事は、19日に地元のソブラル市の大隊詰め所に立てこもっている軍警達に立てこもりを止めるよう説得しに出向いた、同州元知事で休職中上議のシジ・ゴメス氏が、覆面をした軍警らしき男に銃撃された事などからもうかがわれていたが、治安悪化は予想以上だ。
 同州での軍警スト(消防士も含む)は18日夜から始まった。スト開始後は、警察車両が盗まれたり、タイヤの空気を抜かれたりして、警官が出動出来ないように仕向ける動きも起き、混乱が拡大。治安悪化を懸念した同州知事が、連邦政府に国家治安部隊の出動を要請する事態にもなった。
 治安悪化への不安は的中し、19日午前6時から21日午前6時までの48時間で起きた殺人事件は51件に上った。今年の同州での殺人事件発生数は1日平均6件だから、スト開始後の急増ぶりは特筆に価する。
 事件の一例は、21日未明にファオルタレーザ市ヴィセンテ・ピンゾン区で起きた、16歳の若者がバイクに乗った男性7人に襲われたというもので、ジョゼ・ヴァウテル区でも、銃撃戦で1人が死亡、1人が負傷する事件が起きた。フォルタレーザ市では19日夜も、主婦のマリア・デ・パウラ・モウラさんが2人の子供の目前で殺される事件も起きている。
 21日の時点でスト決行中の軍警やその家族が占拠している大隊は、43カ所中9カ所に上る。
 同州政府が提示した軍警の給与調整案は、現行の3200レアルを段階的に引き上げ、2022年までに4500レアルにするというもので、ストに入った軍警達は、今年から4500レアルにするよう求めている。
 スト参加者の代表と上院議員団は21日夜、正常化に向けた話し合いの時を持ったが、合意は成立しなかった。スト参加者らはスト中の給与減額などの免除を要求しているが、同州政府は、治安関係者のストは憲法で禁じられており、懲罰は避けられないとしている。
 軍警や消防士のストは最高裁でも違憲判決が出ており、合意成立は困難との見方も強い。フォルタレーザ大都市圏では、連邦政府が派遣した治安部隊が21日から巡邏活動などを始めており、犯罪事件発生は抑制されると考えられている。
 なお、セアラー州を含む12州で起きている治安関係者の給与調整を巡る動きは、ボウソナロ大統領支持派で、銃所持や銃の携行を推進しようとする議員や政治家が支援しているとされている。
 連帯の党中央本部とセアラー州支部は21日、シジ・ゴメス氏銃撃事件が起きたソブラル市市議のサルジェント・アイウトン氏(アイウトン軍曹)を、軍警達の犯行行為を煽ったとして除名処分とする事を発表した。(21日付G1サイト、エスタード紙などより)

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