ホーム | コラム | 樹海 | コロナを甘く見るべからず

コロナを甘く見るべからず

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、7日の感染者は保健省発表で1661人(14%)、州保健局の集計で1817人(15%)増え、死者も保健省発表で114人(21%弱)、州保健局の集計では121人(21%強)増えた。
 2週連続で日曜と月曜に増加数が減った後、火曜日に増えるパターンが起きたが、3日間の平均では、感染者は1日1100人余り、死者も約90人ずつ増えている。
 サンパウロ州のコロナ対策センターの感染学者、ダヴィ・ウイッピ氏は、自らがコロナに感染し、肺炎も起きている事を確認した時、近日中の容体悪化を覚悟した。何が起きるか予測出来ぬまま横たわるという日々を過ごした同氏は、「命には限界がある事を思い知らされた」と語っている。
 サンパウロ大都市圏サンベルナルド・ド・カンポ市のオルランド・モランド市長は、命の大切さを実感し、集中治療室から一般病棟に移った後、「戻って来れないかと思った」と語った上、社会的隔離の必要性を説いた。これらの人々はコロナに感染したが、回復した人々だ。
 他方、7日朝のニュースは、サンパウロ州で1人、リオ州で2人の医師がコロナ感染者を救うために奔走して死亡と伝えた。6日には、米国の救急隊で働いていたブラジル人女性がコロナで死亡と報じられた。
 また、ボルソナロ大統領同様に「コロナの事をヒステリックに騒ぎ過ぎ、コロナなんて風邪と同じ」とし、方々に出かけて集会を行っていた米国の牧師がコロナで死亡との話も伝わっている。
 コロナは軽症者や無症状者が多く、感染拡大抑制がより困難だ。米国では7日だけで約2千人が死亡した。コロナを甘く見てはならない。(み)

image_print