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米航空大手ボーイング=エンブラエル(ブラジル)との合弁破棄=エンブラエルは裁判外紛争解決手続きを開始

エンブラエル社の製造機(参考画像・Antonio Milena/Agencia Brasil)

 【既報関連】米国の航空機メーカー、ボーイング社は25日、ブラジルの航空機メーカー、エンブラエル社と合意していた合弁事業契約を破棄すると発表したと、25~27日付ブラジル国内のニュースサイトが報じた。
 両社は、エンブラエル社の商用航空機部門を切り離す形で発足する新会社に、ボーイング社8割、エンブラエル社2割で出資することで合意していた。具体的には、ボーイング社が42億8千万ドル、エンブラエル社は10億5200万ドル出資する約束だった。
 エンブラエル社は、1994年まで国営企業だったため、ブラジル政府が拒否権(黄金株)を所有していた。ブラジル政府も合弁事業を承認していたが、新会社設立期限切れとなった。
 エンブラエル社は27日午前中、ボーイング社による2社間合意の破棄に関する裁判外紛争解決手続き(ADR)を開始したと発表した。
 ADRは司法手続きを介在させず、裁判官の代わりに、紛争の当事者たちが選定した、関連分野(今回は航空部門や合弁事業部門)の専門家による判断を仰ぐ。また、裁判と異なり、決定プロセスは公開されない。
 エンブラエル社は27日朝、会見を開き、ADRは、ボーイング社による合意の破棄によって被った損失を取り戻すことが目的だとした。エンブラエル社は昨年だけで、合意成立のために4億8500万レアルを投じている。
 エンブラエル社のCEO、フランシスコ・ゴメス・ネット氏は、別の会社と組む可能性を問われ、「わが社はまず、自分たちに課された課題の解決に取り組む。新たなパートナー探しはその後」と返答。当面は社内再構築に集中する意向を示した。

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