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《ブラジル》新型コロナ で死者7485人、苦渋の現場 「治療は生存率高い人」と優先基準を発表

ペルナンブッコ州の臨時病院(Aluisio Moreira/SEI)

 【既報関連】新型コロナウイルスの感染が広がり続け、5日夕方時点での各州保健局の発表集計では感染者数は10万156人、死者は7485人となった。感染者数は世界9位、死者数では世界7位だ。
 急速な感染拡大のため、既に多くの自治体で集中治療室(ICU)の病床は順番待ちの状態になっている。病床が空くのを待たないと入院できなくなっている自治体がある州はアマゾナス、セアラー、リオ、ペルナンブッコなどだ。
 こうした中、ブラジル集中治療協会(Amib)と、ブラジル救急医学協会(Abramede)は、「新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の感染拡大に対処するため、不足する医療資源を割り当てる「判断基準表」改訂版を発表した。
 現場の医師は、どの患者を優先的に診るべきかの判断を迫られた時、これを参考にする。優先順位は(1)重症度、(2)生存率の高さ、(3)(身の回りのことが出来るかなどの)患者の能力の三つによって決まる。4月に出た第1版は、(3)の部分が年齢となっていた。
 基準表の中には、「同基準は差別的で、憲法に反する可能性がある。この基準の存在は、医療の特徴である連帯の基盤を危うくする可能性があると理解される」と書かれた一節まであり、現場が抱える苦悩が行間から伺われる。
 判断基準表には、「患者の選別によって特定の社会的集団が、他と比べて不当な不利益を課されるべきではない。生存の期待が高い患者を優先する、という共通理解が優先されなければならない」と書かれている。
 (1)は、呼吸循環系や中枢神経系、肝臓、腎臓などの臓器障害を点数化して重症度を判定するSofaと呼ばれるスコアを使って判断。(2)は、重度の持病の有無などで1年間生存率を判断する。(3)は米国東海岸癌臨床試験グループ(Ecog)作成の「身体機能尺度」に従って点数化。その後に、合計点数に応じて治療の優先順位を決定する。
 同判断基準表には、「個々の臨床的判断、主観に基づく優先順位の決定は避けるべき」で、「医療資源を割り当てることができないことは、終末期のケアを含む、患者のヘルスケアの打ち切りを意味しない」とも記載されている。
 ICU入院待ちが発生しているペルナンブッコ州の地元ニュースサイトによると、4月29日現在で186人がICU入りを待っているが、この数字を地元当局は公式に認めていない。
 ペルナンブッコ大学医学部心臓救急室の医師、ジョバンドロ・タルジーノ氏は、コロナウイルスにより、多数の重症患者が発生し、これまでに経験したことのない程にICUの需要が高まったとしている。
 同医師は、「医療現場に運ばれてくるよりずっと前から患者にあった問題が、最も深刻化、緊急化した状態で医師の前に運ばれて来る。判断を下すのは医師だが、医師個人に責任を負わせるべきではない。現場の葛藤は極めて大きい」と語る。

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