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《ブラジル》大統領が罷免回避画策=旧勢力に急接近、役職配る=「古い政治」批判どこへ?

7日のボウソナロ大統領(Marcos Corrêa/PR)

 罷免を避けるため、ボウソナロ大統領が連邦議会内の中道勢力「セントロン」に急接近し、連邦政府内の主要職を提供している。大統領はこれに多額の金を使用しているが、金をかけてのセントロンへの接近は、ボウソナロ氏自身が大統領選の際に批判し続けていたものだ。7日付現地紙が報じている。
 セントロンはラヴァ・ジャット作戦で逮捕中のエドゥアルド・クーニャ元下院議長(民主運動・MDB)が作った議員グループで、進歩党(PP)、社会民主党(PSD)、自由党(PL)、共和者(旧ブラジル共和党・RP)、ブラジル労働党(PTB)などの中道政党の集まりだ。これらの政党は下院の最大党ではないが、院内5〜10位の政党だけに、まとまれば議会内での多数派になり得る。クーニャ氏が議会内で影響力を行使していた数年前から、徐々に影響力を増してきた。
 ボウソナロ大統領は現在、これらの党に連邦政府内の役職を与え始めている。6日には、フェルナンド・レオン氏の全国干害対策工事局(DNOCS)局長就任が発表された。同氏は現在こそアヴァンテという新政党に所属しているが、昨年まで30年以上にわたり、ボウソナロ氏自身も所属していたPTBに所属していた。
 レオン氏を推薦したのは、次期下院議長を狙っているとされているアルトゥール・リラ氏(PP)だ。この背景には、現在、ボウソナロ大統領と対立中のロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)の影響力を弱めたいとする大統領の思惑が働いているという。
 7日には、地域開発省全国市街地・地域開発モヴィリティ局局長に、セントロン推薦のチアゴ・ポンテス・ケイロス氏が指名された。今後も、ノルデステ銀行やバーレ・ド・サンフランシスコ開発公社(CODEVASF)、全国教育開発基金(FNDE)、全国保健基金(FUNASA)などの役員職などが提供される見込みだ。


 セントロンにはクーニャ氏同様、汚職関与が疑われる議員も多い。ボウソナロ氏はロベルト・ジェフェルソン(PTB)やヴァルデマール・コスタ(PL)といった党重鎮を通してセントロンと交渉を行っているが、いずれもメンサロン事件で刑を受けた人物。PPもラヴァ・ジャット作戦で最多の捜査対象候補がいた政党だ。
 ボウソナロ氏は大統領選の最中、労働者党(PT)政権とも連立を組んでいたこれらセントロンを批判し続けていた。また、セントロンが望む経済政策はパウロ・ゲデス経済相の方針と異なることから、人気の同相の立場が危うくなることも予想されている。
 大統領はこの人事に10億レアルを割いているとも報じられている。大統領がこうした対策に走るのは、現在、下院に36通の請求が集まっているという、自身の罷免を避けるためだと報じられている。

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