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東西南北

 ボウソナロ大統領は28日、木曜恒例のネット生放送でアウグスト・アラス連邦検察庁長官の仕事を褒め、「最高裁の判事補欠の第3候補に考えたい」と語り、波紋を投げかけた。検察庁長官といえば、大統領を告訴できる特別な権限を持つ役職で、時の政権からは距離をおいた「司法の良心」的な役割が求められる。それが「政権にベッタリ」のようになると、本来の役割が果たせないと批判する専門家も多い。しかも最高裁判事は「司法界の最高峰」であり、それに大統領から指名されることと引き換えに、政権に媚びるようでは批判されても仕方がない部分がある。ところがアラス長官はここのところ、大統領に向けられた諸々の訴えをお蔵入りさせている。ここ数日間でも、大統領の携帯電話押収命令に反対する意見書を提出し、フェイクニュース捜査の差し止めなどを求めるなど、「まるで大統領の弁護士のようだ」との批判の声まであがっている。ただでさえ同長官は昨年8月、検察庁慣例のトリプリセ(庁内選挙で選ばれた3候補からの選出)を無視して、大統領が個人的に指名したために物議を醸した人物だ。その上で、今回の大統領による最高裁判事指名発言。さすがに政権との関係が怪しまれそうだ。
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 27日のFN(フェイクニュース)捜査の影響で、スポーツジム「スマートフィット」の会員数が激減しはじめた。同件で捜査対象となった同ジム会長のエジガル・コロナ氏が自身の経営するグループに対し、連邦議会に関するFNを流すサイトへの献金を呼びかけていたことが、最高裁が命じた銀行口座の情報公開で判明したためだ。FNに対する世間の風当たりの強さは、こうしたことからもうかがえそうだ。
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 ある時期から、週末になると、大統領支持者がデモを起こすようになった。最近は特に、暴力化が指摘されはじめ、大統領三男エドゥアルド氏などがクーデターを煽るような発言もはじめているのを懸念する声も高まっている。コロナによる死者数が世界ランキングをかけ上がっている最中であり、悠長に外に出てデモ参加などできないはずだが。

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