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《ブラジル大統領》陽性発表後にクロロキン宣伝動画=「だいぶ良くなった」=こりないパフォーマンス

7日、クロロキンを薦めるボウソナロ大統領(twitter)

 「ヒドロキシクロロキンを飲んでいるから、だいぶ良くなった。うまくいってるよ」―大統領は7日晩、かねてからコロナ治療薬として強く勧めているヒドロキシクロロキンを自ら飲む宣伝的動画を配信し、これまでと変わらない姿勢をアピールしている。8日付現地紙が報じている。
 ボウソナロ大統領コロナ感染の報道は世界を駆け巡った。ところが当の本人はどこ吹く風で、大統領官邸の自室から7日晩、動画を作成して支持者に送信。「これが3錠目だ。すごく良くなった。日曜日は良くなかったし、月曜日は調子が悪かった。でも今は土曜日に比べてすごく良くなった。うまく行っているよ」とヒドロキシクロロキンの実物を見せながら語り、「ここに薬が効いた人が1人いる」と自分を指差し、「私はヒドロキシクロロキンを信じる。で、君は?一緒に飲もう」と飲むパフォーマンスまで行なった。
 5日、大統領は明らかに調子が悪く、熱も38度、倦怠感があった。最初の1錠は6日午後5時、2錠目は7日朝だった。医者の指示で、例の薬に加えてアジトロミシナも服用中だという。
 一方、大統領コロナ陽性を報じる世界のメディアの論調はいずれも厳しいもの。米国のニューヨーク・タイムスは、「予防対策を行わない末にコロナに感染した」、英国のBBC放送やガーディアン紙は、同氏がこれまでコロナウイルスをどれだけ軽視する発言をしてきたかを紹介した。フランスのル・モンド紙は「もうひとり感染した」として、感染者が170万人弱、死者が7万人弱という世界ワースト2位のブラジルの現状を招いた責任を追及した。アルゼンチンのクラリン、ラ・ナシオン紙でも一面の大きな写真付きで報じられている。

 ボウソナロ氏感染の報道を受け、普段は対立しているジョアン・ドリア・サンパウロ州知事やアルゼンチンのフェルナンデス大統領は同氏の早い全快を願う声明を発表した。だが、ボウソナロ氏が敬愛していることで知られる米国のトランプ大統領は声明を出していない。
 今回の報道でもっとも論調が厳しかったのはフォーリャ紙で、「大統領はこの14日間で、数百人の人たちとマスク無しで会っていた」とし、大統領自らがコロナ対策を無視した行動をとってきたことを批判した。大統領は連邦直轄区の地裁が命じた「公衆でマスク付着用なら罰金」という命令を無視し、逆に、マスク着用を強制する法案の一部に拒否権を発動するなどの行動にでている。
 大統領のコロナ感染を受け、3日にサンパウロ州工業連盟(Fiesp)の会合で直接に会った同連盟のパウロ・スカッフィ会長をはじめ、自動車販売大手のCAOAグループを始めとした大企業の社長クラスが続々と自己隔離に入ることを宣言した。
 大統領のこうした行為を、世界保健機関(WHO)は懸念を示しているという。大統領は「コロナに関してWHOの見解を尊重する」という署名を拒否するなどかねてから関係は良くないが、今回の大統領感染の件に関してWHO は「全快を願う」という声明を出している。だが内部では「軽症で済んだ場合、コロナ対策軽視をさらに強めるのではないか」「(WHOが治療薬としての効果を疑う)クロロキンを治療薬としてますます推進するのでは」との不安をいだいているという報道が出ている。

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