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《ブラジル》フェイスブック社が大統領派アカウント大量削除=三男やPSL関係者を中心に=「嫌悪部隊」の存在を証明?

8日のボルソナロ大統領(RS)

 フェイスブック社は8日、ボルソナロ大統領、大統領三男のエドゥアルド下議、大統領が昨年11月まで在籍した社会自由党(PSL)に関連した73のアカウント、14のページを削除した。「規定に反した」がその理由だが、5月以来、ブラジルでのフェイクニュース(虚報)対策が厳しくなっている矢先の出来事だった。
 大統領府やボルソナロ家周辺に「SNS嫌悪工作部隊」がいるとの指摘がメディアや敵対政治家から何度も行われ、その度に大統領派は否定してきたが、フェイスブック社の今回の処置はその存在を半ば証明するものとなった。9日付現地紙などが報じている。
 フェイスブック社によると、削除されたのはボルソナロ大統領や三男エドゥアルド氏が、間接的に絡んだものとPSL絡みのもの。PSLではとりわけ、リオ州議のアンデルソン・モラエス氏とアラナ・パッソス氏の側近に関してのものが対象になったという。
 35のフェイスブックのアカウント、38のインスタグラムのアカウント、14のフェイスブックのページ、ひとつのフェイスブック内のグループが削除対象となった。この措置により、88万3千人のフェイスブックのフォロワー、91万7千人のインスタグラムのフォロワー、350人のグループのメンバーが、これらのサービスを使うことができなくなった。
 中でも、選挙の際に政敵やジャーナリストを攻撃した投稿やミーム(冗談画像)などが問題とされている。フェイスブックがとりわけ問題視したのは、セルジオ・モロ前法相に対しての攻撃やグローボ局への誹謗中傷、新型コロナウイルスに関してのフェイクニュース発信だったという。
 今回、フェイスブックに協力したアトランティック・カウンシル社が、削除対象となったアカウントに直接関連する人物の名前も公表しているが、その中のひとりにエドゥアルド下議の側近エドゥアルド・ギマリャンエス氏の名も含まれている。同氏は今年の3月にウイルス攻撃を行ったことで、情報公開の処分にあっている。

 ブラジルでは5月27日に連邦警察によるフェイクニュース捜査以来、大統領支持の政治家や企業家、ジャーナリストたちへの取り締まりが厳しくなってきていたが、今回のフェイスブック社の処分はそれに拍車をかけそうだ。
 今回のフェイスブック社による処分に対し、フェイクニュース問題の両院審議会(CPMF)の報告官リジセ・デ・マタ下議(ブラジル社会党・PSB)は「驚くべきことではない」とし、「2018年の大統領選の際の虚報問題にもつながりうるものだ」との見解を示している。
 大統領選の際の虚報の問題は、選挙高裁で進行中の、ボルソナロ氏と副大統領のアミウトン・モウロン氏の当選の無効を問う裁判で不利な材料として見られている。
 アカウント大量削除はブラジルだけに行われた措置でなく、米国やウクライナ、カナダやエクアドルなども対象になった。
 削除数はブラジルが特別に大きかったわけではなく、ウクライナではフェイスブックの72と35のアカウントとページ、13のインスタグラムのアカウント、米国ではフェイスブックの54と50のアカウントとページ、4つのインスタグラムのアカウントが削除されている。共通するのは、これらの国で極右勢力が強いことだ。

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