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≪ブラジル≫大統領「お前を殴ってやりたい!」=報道陣に威嚇発言=夫人の小切手疑惑の件訊かれ

ボウソナロ大統領(Foto: Marcello Casal JrAgência Brasil )

 23日、ボウソナロ大統領はジャーナリストの質問にいらだち、「殴ってやりたい」との発言を行った。ミシェレ夫人への疑惑の小切手振り込みに関する質問に対する返答だった。24日付現地紙が報じている。
 問題発言は、23日の午前中に起こった。ボウソナロ大統領はブラジリアにある聖堂前で行われている、手工芸品の青空市を訪問しようとしていた。その際にオ・グローボ紙の記者から、「ミシェレ夫人はなぜ、ファブリシオ・ケイロス氏から8万9千レアルを受け取ったのか」との質問を投げかけられたときだった。
 ボウソナロ氏は「今の俺は、その口にコブシをぶち込んでやりたい気分だ。わかったか」と返した。つまり「殴ってやりたい」の意の発言を行った。この様子は録画もされており、ネット上ですぐに拡散された。
 オ・グローボ紙記者の質問は、クルゾエ誌の報道を発端として広がった疑惑についてのものだった。
 ミシェレ夫人が、大統領一家とは30年来にわたる親友で、長男のフラヴィオ上議のリオ州議時代の職員をつとめ、ラシャジーニャで逮捕されたファブリシオ・ケイロス氏から小切手を振り込まれていた疑惑は、18年12月から報じられていた。その額が、当初報じられた2万4千レアルではなく、ケイロス氏から7万2千レアル、同氏夫人のマルシア・アギアル氏から1万7千レアルの計8万9千レアルであったことが最近判明していた。

 小切手の額が2万4千レアルとされていた頃、ボウソナロ氏

ミシェレ夫人とボウソナロ大統領(Alan Santos/PR)

はそれを「以前、ケイロス氏に貸した4万レアルの返金の一部だ」と説明していた。だが、8万9千レアルという額は、ケイロス氏が借りたとされる金額を倍以上も上回っており、大統領発言と矛盾している。ボウソナロ氏本人からは、この矛盾点に関する説明が行われておらず、今回もはぐらかされた形となっている。
 この日の午後、翌日もブラジルの報道はこれ一色となった。23日夜、グローボ局の看板番組「ファンタスチコ」は、大統領の今回の発言を取り上げ、「報道の自由や民主主義を脅かすものだ」として強い抗議を行った。
 さらに、政治関係者や芸能関係者からも、ネット上で、大統領に対する抗議が行われた。彼らはジャーナリストが尋ねた、「夫人はなぜ、8万9千レアルを受け取ったのか」との言葉をネット上で書くことで抗議運動とした。
 抗議を行ったのは労働者党(PT)をはじめとした左派だけでなく、新興右派政党「ノーヴォ」設立者で18年の大統領選にも出馬したジョアン・アモエド氏の名前も挙がっている。
 この発言は国際的にも問題視され、ロイターをはじめとして世界中で報じられた。
 一方、ロドリゴ・マイア下院議長も、「報道の自由は政治家にとっても不可欠なもの」としてボウソナロ氏の態度を批判した。同議長は下院にすでに50通以上も届いている大統領罷免嘆願書を押さえ込んで、大統領を擁護し続けている。だが、今回の暴言は、同議長にとっても「目に余る」ものであったようだ。

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