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≪記者コラム≫新型コロナと共に半年

24日に開催したイベントで軽症者へのクロロキナ使用を推奨する新規定を擁護するボウソナロ大統領(Marcos Corrêa/PR)

24日に開催したイベントで軽症者へのクロロキナ使用を推奨する新規定を擁護するボウソナロ大統領(Marcos Corrêa/PR)

 ブラジル初の新型コロナ感染者確認から半年が過ぎた。最初の感染者確認は2月26日、最初の死者確認は3月16日だ。
 当初は、感染者や死者が100人を超え、千人を超える度に騒がれた。だが、重篤な呼吸器障害だけが注目された感染症が多臓器不全なども引き起こす事や、最初の患者発見よりかなり前にウイルスが侵入し、発見当時は既に市内感染が起きていた事が、やがて判明した。その間に、1日の感染者が千、万の単位になり、死者の1千人超えも日常化した。
 3月以降は外出自粛や感染者多発で経済活動が急速に縮小。蔓延を食い止めようとする知事達と経済活動を優先しようとする大統領との間の見解の相違も表面化した。
 政府の対策の遅れや短期間での保健相交代、反応薬もない検査キット配布などの出来事に対し、大統領への批判が噴出した。大統領が参加を呼びかけたデモで3密が発生し、「トラックを連ねてデモに参加」と豪語した大統領支持者が感染して重症化した時は「それ見た事か」といった声が上がり、連邦直轄区での感染者急増への懸念も広がった。
 だが、低所得者や失業者への緊急支援金給付などで大統領への批判が減り、8月に行われた世論調査では、47%の人が大統領にはコロナ蔓延に関する責任はないと答えた。
 メディアやジャーナリストに対する大統領発言や、クロロキナの有効性に疑問を唱える専門家への脅迫は国際的な問題にもなったが、大統領は未だに「軽症者にもクロロキナを」と語っている。
 再感染もあり得るのなら、マスク着用や手洗いなどの継続は不可欠だ。ウイルスとの共存が不可避な中、半年間で得た教訓や知恵の賢い適用が求められている。 (み)

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