ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》コロナ検査材多くが保健省で死蔵=綿棒や反応薬不足などで=感染者は400万人超えたが

《ブラジル》コロナ検査材多くが保健省で死蔵=綿棒や反応薬不足などで=感染者は400万人超えたが

PCR検査の様子(4日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部)

 国内の新型コロナウイルス感染者が400万人を超える中、保健省が購入し、手許に届いた検査キットの過半数は死蔵在庫となっていると4日付現地紙が報じた。
 3日現在のデータによると、同省が購入したPCR検査は2290万セットで、内1589万セットが既に手許に届いている。残りの765万セットはまだ製造中だ。
 PCR検査はコロナに感染しているかを確認するための検査で、保健省は2420万件の検査実施を目標としている。同省が既に購入したのは2290万セットで、外部から寄贈された検査が65万セットある。
 だが、保健省が州や市に配布したPCR検査は28%の643万セットで、946万セットは保健省で寝ている。保健省が大量のPCR検査セットを保管しているのは、検体採取用の綿棒や、綿棒を入れるための蓋付きの試験管、反応薬などが足りないためだ。
 この問題は州や市に配布済みのセットでも起きており、綿棒は248万件分、試験管は180万本不足している。反応薬の配布は62万2600件分のみで、国家保健局長審議会は、「検体採取用の器材配布は正常化しておらず、検査実施を妨げている」と苦言を呈している。
 ウイルスの有無を確認するPCR検査や、抗体が出来ているかを確かめる検査は、感染実態の把握や感染抑制のための対策立案に不可欠だ。
 この事は、世界保健機関(WHO)が早い時期から主張していたが、ブラジルはその当時、現状では不可能と返答。4月17日に保健相に就任したネルソン・タイシ氏も実態把握が必要と主張し、前記のような検査目標を立てたが1カ月を待たずに辞任した。

 検査に必要な器材の不足や配布された検査セットそのものの数が少ない事もあり、統一医療保健システム(SUS)で実施したPCR検査は265万件のみ。州や市が独自に購入した検査を含めても、PCR検査の数は目標には到底及ばない。だがエドゥアルド・パズエロ保健相代行は「検査実施能力の拡大は遅れていない。感染の有無は60日以上前から、(検査だけでなく)医師の診断でも判断出来るようになっている」と言う。
 4日付アジェンシア・ブラジルによると、連邦政府は、新型コロナの感染実態把握と観察のために最大3億6970万レアルを特例的に割り当てる意向だ。
 他方、8月27日付同サイトによると、保健省に割り当てられたコロナ対策費は417億レアルで、283億レアル(67・8%)は同日までに支出された。その内の254億レアルは州や市に回されたという。7月末には252億レアルを州や市に回す予定としていたから、大半は8月に支出された計算だ。
 支出額の中には、クロロキンや人工呼吸器をつなぐ際に使う筋弛緩剤などを含む薬剤の生産・購入費も含まれている。
 残り134億レアルは、オックスフォード大学が開発中の予防接種ワクチン関連経費や、病床の更新費用、議員割当金関連のプロジェクトのための資金だという。

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