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ファンキ専門Chで日本人初=「バイレ・ジ・トーキョー」=AMIZADEな制作秘話

Baile de Tokyoイメージ画像

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 11日13時、登録者6000万人を超えるブラジルのファンキ音楽専門チャンネルKondZilla(コンドジラ)で、日本人ラッパーのREI CAPOEIRAPさん(日本在住)のミュージックビデオ(MV)が公開された。
 同チャンネルでは連日MVが公開されているが「アジア圏のアーティストとして初」という異例のデビューを果たしたREIさんにメールで取材した。
 「日本人の自分とブラジルの人とのAMIZADE(友情)によって出来た作品です」――メール取材を通して何度も「友情」や「AMIZADE」の言葉を挙げ、そう経緯を語る。歌唱の録音から動画撮影をブラジル国内で実施したという今作は「多くの協力を得た」と振り返る。
 東京五輪開催にむけ作成した楽曲に「未来的なカッコいい映像を付けよう」という案と「ブラジル人と制作がしたい」という願いから、昨年夏頃に以前から見ていたコンドジラともう一つのユーチューブチャンネルへポ語でメールをしていたという。
 返信が早かったコンドジラと動画制作することに決め、2019年12月中旬に動画撮影のため渡伯。当初予定になかった歌唱の録音を聖市に住むDJのDAEL(ダエル)さんに協力してもらったと説明する。

ポルトガル語中心の歌詞に「コメ(Comer)寿司!」と日本語を織り交ぜられる

ポルトガル語中心の歌詞に「コメ(Comer)寿司!」と日本語を織り交ぜられる

 撮影は予算を抑えるためエキストラやダンサー、メイクスタッフなど当地の協力してくれる友人やパウリスタ大通り等で声をかけ集めた。ブラジルに引き込まれるきっかけとなったカポエイラ師匠の息子も招いて撮影にあたったという。
 以前は「一人でやる」という考えだったREIさんも、この滞伯中にブラジル人の相手を遣う優しさや温かさに触れ「AMIZADEの大切さ」を体感したという。
 今後は日本とブラジルで、また様々なアーティストとプロジェクトをやっていきたいと展望を語り、「もっとブラジルの日系社会の皆さんとも繋がっていきたいです」と思いを語る。

□大耳小耳□関連コラム
    ◎
 「バイレファンキ」というとファベーラ(貧民街)の音楽という印象が強く、過激な楽曲ではと敬遠する人も少なからずいる。ところがREI CAPOEIRAPさんの「バイレ・ジ・トーキョー」は「ブラジルが好きすぎる東京の純日本人がファンキを作ったから聴いてよ」といった内容。外国でも有名な「寿司」や「芸者」などの日本語を取り入れつつ、「ここに座って」を意味するポ語「センタ・アキ」が「洗濯機」に聞こえる等の言語が違うからこそ発生する「音の面白み」を感じさせる歌詞だ。本人いわく「アジア人がファンキをする時点で叩かれる覚悟あった」が、あえて「自分だからこそ出来るスタイルを」と曲調も和のテイストを織り交ぜた。「収録を手伝ってくれたDJも初めは驚いていたがブラジルは多様性を受け入れる素敵なところ」とブラジルの長所をあげた。