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《チリ》軍政憲法を国民投票で廃止に=8割賛成、来年から制定会議

25日のチリ(Twitter)

 チリで25日、新憲法を制定するか否かの国民投票が行われ、圧倒的な賛成多数で、新憲法を制定することが決まった。ピノチェト軍事独裁政権時代(1973〜90年)以来の憲法が姿を消すことになる。26日付現地紙が報じている。
 新憲法の制定は、昨年10月に暴動が起こったことで世界的な話題となり、今年の3月まで続いたデモでも国民がもっとも強く求めていた。ピニェラ大統領は銀行家出身の保守派だが、デモを鎮めるために国民からの要求を受け入れざるをえなくなり、昨年11月に国民投票を行うことを約束していた。
 今回の投票では、国民の78%が新憲法を制定することに賛成し、来年設置される予定の制憲代表者会議の構成員を「100%民間人にするか」、「民間人と政治家(国会議員)を50%ずつにするか」の投票でも、79%が「100%民間人」に投票した。

 反対派国民を非人道的に虐殺したことで、国際的・歴史的に悪名高いピノチェト政権下の憲法は1980年に制定され、1989年と2005年に大幅な改正が行われた。同国では同政権後、保守派と左派が交互に政権を担ってきたが、この憲法の存在が、同国の長期にわたる格差社会の諸悪の根源とされていた。
 ピノチェト政権の打ち出したシカゴ学派による新自由主義(ネオ・リベラル)経済の政策は、80年代の米国レーガン大統領や英国サッチャー首相など、歴史的に名高い保守派政治家に影響を与えた。現在のブラジルのボルソナロ政権もそのうちのひとつだ。ボルソナロ大統領はピノチェト信奉者としても有名だ。
 この結果を受け、ルーラ元大統領は「これは南米の新たな歴史の一ページだと」してチリ国民を称賛した。
 南米では昨年、チリ、コロンビア、エクアドルで、民衆デモに端を発する左派国民による反乱が起きており、チリの場合は国際会議の解散を断念する事態にまで及んだ。今回の結果は、昨年のアルゼンチン大統領選でのマクリ政権退陣、先週のボリビア大統領選での社会運動(MAS)の政権奪回に続く、南米での保守派の敗北ともなった。

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