「5年間本当にお世話になりました」││JETROサンパウロ事務所所長を5年間勤めた大久保敦氏(群馬県・56歳)は10月23日のオンライン取材でそう語った。
経済産業省が所管する独立行政法人・日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所では、5年間所長を勤めた大久保氏が10月27日に帰国し、原宏氏(青森県・53歳)に交代した。
大久保前所長は、93年から98年までの5年半をサンパウロ市で、その後02年から7年間をチリで勤務し、今回の5年間のサンパウロ所長を含めると南米勤務は通算15年以上になる。
大久保氏は当地在任中、フェイスブックやユーチューブなどのSNS発信を強化、かねてからの念願だった和牛輸入も開始させた。当地のスタートアップ企業に着目して、ブラジル日本商工会議所のイノベーション委員会を通して「日伯イノベーション・シンポジウム」の初開催をもり立ててきた。
「コロナの悪影響は大きいが、オンライン化が促進したことで日伯間の距離が近くなり日系企業の南米進出にも目が向けられるようになった部分もあった」との前向きな変化を語った。
後任の原氏は「大久保の時に作られたベースを踏襲して、今以上に良くなるよう強化したい」と意気込んだ。
原新所長は、今回で3回目のブラジル勤務。最初は1994年から97年の3年間リオで、2回目は2008年から12年の4年間もサンパウロでの勤務、通算で7年とブラジルに明るい。
原氏は、「大久保在任中に彼の地元・高崎のだるまの輸入販売が開始された。私も地元青森県と関わりのある仕事ができたら」との期待をのべた。