地理統計院(IBGE)が11月27日、第3四半期の失業率は第2四半期より1・3%ポイント高い14・6%で、2012年の統計開始以来、最大となったと発表したと11月27~29日付伯字紙、サイトが報じた。
仕事を探しているが就職口が見つからない失業者は1410万人とされ、第2四半期より130万人増えた。
失業率が高くなったのは北東部など10州で、失業率上位3州と失業率はバイア20・7%、セルジッペ20・3%、アラゴアス20・3%。最低はサンタカタリーナの6・6%だった。
失業率の上昇幅が最も大きかったのはパライバ州の4%ポイント増で、アマパー州とペルナンブコ州が3・8%ポイント増で続いている。
同院のアドリアナ・ベリングイ氏によれば、失業率上昇の原因は、新型コロナの感染拡大を抑制するための隔離規制緩和で求職者が増えた事。9月からは緊急支援金の減額が始まったが、9月末に支給額が減ったのは4月に受給し始めた人だけだから、第3四半期への影響はさほどないが、物価上昇による購買力低下も求職者増を招いた。
第3四半期の就労者は前期比で1・1%(88万3千人)減の8246万4千人で、統計開始以来、最少だ。昨年同期比では1130万人減で、5月以降の就労者数は、就労可能な年代の総人口の半数以下だ。第3四半期は47・1%で、前期を0・8%ポイント下回った。就労者数は全部門で減少した。
正規雇用者は2・6%(78万8千人)減の2940万人となった。第3四半期の場合、民間企業従業員の76・5%が正規雇用だった。
正規雇用者の割合が高いのはサンタカタリーナ州の90・5%やパラナ州の85・1%、リオ・グランデ・ド・スル州の84・3%、サンパウロ州82・3%など。正規雇用者の割合が低いのはマラニョン州51・3%、パラー州53・9%、ピアウイ州54・1%などだ。
就労者に占める非正規雇用者は38・4%で、3160万人が非正規雇用だった。非正規雇用者には民間企業従業員の4分の1や家庭内労働者、全国法人登録台帳に未登録で納税者番号(CNPJ)がない個人企業家、自営業者、給与所得がない労働者が含まれる。第2四半期の非正規雇用者は36・9%、昨年同期は41・4%だった。
正規雇用者の平均所得は2317レアルで、非正規雇用者の1670レアルや自営業者の1805レアルよりも多い。平均所得が最も多いのは連邦直轄区の4268レアルで、サンパウロ州の3366レアルやリオ州の3251レアルがそれに続く。最少はマラニョン州の1408レアルで、ピアウイ州の1513レアルやアラゴアス州の1543レアルがそれに続く。
なお、就労可能な1億7510万人中、就労または求職中の人が9650万人という事は、それ以外の人が7860万人いる事を意味する。その中の一部の、働きたいが求職を諦めた人は30・3%の3317万9千人に到達した。前四半期は20・9%だったから大幅な増加だ。
購買力低下や緊急支援金打ち切りなどで、来年の失業率は17%、失業者は1500万人に達するとの声も出ている。