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【2021年新年号】困難を乗り越え、飛躍の一年に=駐ブラジル日本国特命全権大使 山田彰

山田大使

 新年明けましておめでとうございます。
 昨2020年、我々は新型コロナウイルスによる未曾有の困難に直面しながらも、新たな解決策を模索し、乗り越え、前進しようと絶えず努力してきました。
 コロナ禍において、ブラジル全国の日系団体は、セミナー、日本祭り、盆踊り等、各種のイベントをオンラインで開催するなどの創造的な試みに積極的に取り組みました。私自身もライブやビデオメッセージの形で多くのイベントに参加し、皆様の熱意と人的絆を心から強く感じられました。
また、日系社会及び在ブラジル日本企業の皆様が、食料及び感染防止用品の配布や医療サービスの提供等を通じて、ブラジル社会に大いに貢献したことに対して、改めて深甚なる敬意を表します。
 2020年の日ブラジル関係を振り返ると、コロナ禍の困難な状況下でも、医療機器・資材の提供や技術協力といった保健・医療分野での協力に加えて、環境、防衛、科学技術、学術交流など、様々な分野における協力が着実に進みました。
 2021年、ブラジルにおいては、経済が回復軌道に乗るとともに、税制改革や行政改革の進展・達成が期待されています。
 日本では、延期された東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。ブラジルを始め、世界の関心が日本に集まるでしょう。コロナ禍を乗り越えた新しい環境の中で、日ブラジル間の幅広い分野での協力・交流を促進するよう努めます。
 また、ブラジルにおける海外で最大の約200万人の日系社会が、州を超え、国境を越えてネットワークを広げ、さらに発展するよう、若い世代への支援も含め、できる限りの後押しを行っていきます。在日ブラジル人コミュニティとの絆を今後も一層深化させていきたいと思います。
 日本とブラジルは、長年にわたる友好協力関係を有し、基本的価値と原則を共有する重要なパートナーです。両国が、「戦略的グローバル・パートナーシップ」の下、二国間のみならず、国際場裏での協力関係を発展させられるよう、これからも積極的に取り組んでいきます。
 2020年には、困難の中にあって多くの方々の絶え間ない努力により、日ブラジル関係に前進がありました。困難を乗り越え、2021年が両国にとって飛躍の一年になるように、そして、皆様にとって希望に溢れた一年となることを祈念しております。

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