ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》アマゾナス州死亡率、世界最悪の2千人/100万人に=1月の死者は12月の7倍強=近隣州も医療崩壊中か直前に

《ブラジル》アマゾナス州死亡率、世界最悪の2千人/100万人に=1月の死者は12月の7倍強=近隣州も医療崩壊中か直前に

アマゾナス州に着いた酸素のタンク(Forca Aerea Brasileira)

 感染力が強い変異株ウイルス出現などで、新型コロナの感染や再感染が急速に広がり、医療崩壊を起こしたアマゾナス州では、死亡率が上昇の一途で100万人あたり2千人超となった。
 2日現在のアマゾナス州の感染者は27万1177人で感染率は100万人あたり6万5429人、死者は8414人で死亡率は100万人あたり2030人。
 死亡率が世界一高いベルギーは1818人/100万人だから、国にすれば世界一だ。1738人/100万人のリオ州も国にすれば世界3位となる。
 同州では昨年5月にも医療崩壊が起きたが、5月は感染者3万6124人、死者1627人だったのに対し、この1月は感染者6万6381人、死者2832人と状況がより逼迫。
 昨年12月の感染者は2万2813人、死者は391人だったから、1月に入ってからの感染拡大の急速さと死者の急増ぶりは明らかだ。
 12月からの感染再拡大は、11月の地方統一選挙に続く年末年始の3密や予防措置の不徹底、変異株の発見遅延などの結果で、1月中の感染者3倍増と死者7倍増を招いた。
 保健省は年末年始に報告を受けていたが、対処が完全に出遅れた。臨時病院再開の遅れなどで医療崩壊が一気に進み、病院での酸素不足による患者の窒息死まで起きている。
 状況の急速な悪化に驚いた保健省はマイス・メジコスによる医師108人の派遣を決め、国内外からの支援も届いている。だが、内陸部にはまだ、州都の病院への移送を待つ患者が数百人いる。

 マナウス市などの病院から他州に移送された患者は2日現在で424人にもなる。3日もリオ州に17人など、継続中だ。コロナ感染症以外の患者の一部も必要に応じて他州に移送されているが、ゴイアス州に移送された感染症患者が10人弱死亡など状況は深刻だ。
 医療崩壊中か発生直前の州は他にもあり、パラー州が一部でロックダウンを採用。アクレ州も外出規制レベルを赤に引き下げた。ロンドニア州からも患者の他州移送も行われている。
 ブラジルの感染者は2日現在で928万3418人(100万人あたり4万4176人)、死者は22万6309人(同1077人)。全国の1月の感染者数は152万8758人で過去最多だ。
 1月の死者2万9555人は、昨年7月の3万2881人や6月の3万280人より少ない。だが、1月24~30日(感染学上の第4週)の死者は7500人で、昨年7月19~25日の7677人に次いで多い。2日現在の7日間の死者は7431人で1日平均1千人超の状態が続いている。
 感染第2波が第1波より強いと感じているのはアマゾナス州だけではない。死者だけ見ると、サンタカタリーナ、南大河の両州は12月が過去最多、アマゾナス、ロンドニア、マット・グロッソ・ド・スル、ミナス、パラナの5州は1月が最多だった。死者数全国2位のリオ州では1月に、昨年6月、5月に次ぐ4281人が亡くなった。
 サンパウロ州は3日、6日からは夜間と週末の赤レベル適用解除と発表した。だが、1月の感染者数は過去最多、死者も4番目の多さだから、まだまだ気は抜けない状況だ。