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特別寄稿=徒然の記―脳と心=コロナ禍時代の不安と悲しみ=聖市在住 上原武夫

芯からの愛の心

孫の顔を見るのが何よりの楽しみ(参考写真)

 人間誰にも脳と心がある。真心、見せ掛けの心、欲心、悪心、様々な心がある。それを見抜くのが脳である。
 先ずは親子愛の真心、どんな罪人の子でも親にとっては芯からの愛の心がある。目の中に入れても痛くないほど可愛い孫。
 幼い頃からオジーオバーにすがり付き二十歳も過ぎると、それに比例するかのようにオジーオバーも後期高齢になり、耳も遠くなり会話も不自由となる。
 そんなオジーオバーに優しく接してくれる子や孫は死んでも忘れない。孝行は元気のうちに、死んでしまえばお供えも花も線香も何も見えない。
 テレビニュースを見ていると、厄介者は早く死ねばみんな自由になる、禍もなくなる相続金が貰える、あるいは争いも起こる、このような事件を心配する高齢者は社会に多数いると思う。
 人間誰しも心変わりがあろうとも、親にはそんな心変わりはない。芯からの愛の心がある。
 またNHK介護番組を見ていると、日本では一人暮らしの高齢者がなんと多いことか、言いようもなく悲しい。家族はおらんのかと、叫びたい気もする。
 それとも強がりの親のせいか、元気のうちは何とかなるが寝たきりになると如何ともしようもない。心配でならない。
 日本では国民1人で3人の福祉を背負う高齢者社会になっているという。国の1年間の総予算の中に占める社会福祉関係の予算は、全体の約35%も掛かるとも言う。
 コロナウイルスの患者の急増で医療関係の病棟だけでは間に合わず、政府がホテルを借りて患者を収容して病状を診る。その経費はどこから支出されるのか。
 国民皆保険制度の日本では当然福祉予算が適用されると思うのだが、ブラジルでは考えられない。それどころかコロナウイルス基金を盗む大物政治家も多数いるという新聞記事を度々見る。
 そんな泥棒政治家に餓死状態の貧困家族等を見せてやりたいと思う国民は多いだろう。欲心と悪心重ね合わせたら限りがない。

欲心による社会の混乱

マスクが欠かせない毎日に(参考写真)

 欲心は誰にも付きものである。それがなければ世の発展も自分自身の発展もない。ところが、欲心は大きくなればなるほど貪欲になり、殺し合いも生じる。
 人間社会は昔から戦争文化を背負っている。何処の国も莫大な予算で軍備に備えている。それが始まれば共倒れ勝利者なしの戦争になる。
 中国が発展すれば世界も発展する、と支援し育てた米国や日本などの脳と心の判断誤算が今や世界覇権を目指す国にしてしまっているとか、支那武漢発生の新型コロナウイルスが万人の人命を殺害したとして、その賠償を求める米国大統領が喚いても、死に続ける自国民の人命と底をつく経済とかの新聞記事を見た事もある。
 ブラジルでは総人口2億950万人のうち約1千人以上が毎日コロナウイルスで命を落とし続けている。
 人間1人では倒れかねない、それを支えるもう1人で漢字の「人」という字が成り立っているという。
 ところがコロナ禍パンデミックの現在では他人に接触するな、離れよ、マスクで暮らせ、となってしまった。
 「人」と「人」との関係が分断されてしまった。それ故に商工業など経済が停止状態となり、働けなくなった労働者は職なし生活費なし食べ物なし泣いて暮らす餓死状態の子供たちに心が痛み、自分の鍋から分けてあげたい国民も多いだろう。
 そんな恐ろしい世相に私もずっと閉じこもっている。それに打ち勝てるワクチンが出来てもウイルスは無くならない、ということをある学者がテレビで語っていた。
 さぁ、あと何年続くのか、このまま国民はマスクで口鼻を覆って生きる世の中になるのだろうか、と思えば思うほどぞっとする。

社会の共生と明るい日常の到来を願う

 老人会の仲間たちも達者で居られるだろうかと気になるこの頃、カロン沖縄県人会の働きでオンライン敬老挨拶会が行われ、「元気ですよ」との全会員の元気な笑顔を確認し感動した。
 また、たまたま宮城滋先輩や宮城あきらさんから「元気ですか」と掛かってくる電話には勇気付けられる。『群星』の打ち合わせもオンラインで毎週行っている。
 第6号発行までの出版費用はなんとかなるが、その後のことが心配されている。それはそれとして食べ物が底を付いた福祉施設の希望の家、憩の園の入居者たちが心ある人々の支援を求めている。
 ブラジル政府は最初600、途中から300レアイス(約5700円)の緊急支援金を貧困家庭に提供していた。だが、それだけでは足りないと泣いて暮らす貧困家族のことがテレビで放映されているのを見ていると、75年前の貧しかった戦後沖縄の食料配給時代のわが家のことを思い出させる。
 感染者死亡者が世界2位のブラジルの現状に沖縄の親戚から心配の電話もある。人から人へ感染がある恐ろしい新型ウイルスに、どうせ死ぬなら家族に厄介かけたくない高齢者の安楽死も世界中に多数あるようだ。

上原武夫さん

 わが家でも最初の頃は、分家した女児孫たちも年老いた私に寄り付かない悲しいこともあったが、だんだん慣れて今では食事を共にするような明るい家庭になった。
 けれども、日常の外出は出来ない中、週3回通い続けている腎臓透析クリニカには、その都度3回入れ替わりで約300人ほどの患者が来る。いつ自分にコロナウイルスが回ってくるか毎日が心配だ。もし感染したら家族全員に感染する。それだけが気になるこの頃である。
 現在86歳となり後期高齢となっている私にはたいした心配はないけれど、生活のために懸命に頑張って働いている家族や国民が心配のない暮らし、一日でも早い元の明るい社会の日常が到来することを切に願い期待している者である。
 (2020年7月記)

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