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《ブラジル》中国からの輸入21・9%に拡大=06年の8・6%から依存高まる

コンテナを山積した貨物船(Diego Bavarelli/MInfra)

 ブラジル最大の貿易相手国である中国が、輸入面でもその存在感を増していると5日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。全国工業連合(CNI)によると、2020年の場合、中国からの輸入額は全体の21・9%を占めた。2006年は8・6%だったから、15年間で2・5倍以上増えている。
 これに対し、かつてはブラジルへの商品提供で1位だった欧州連合(EU)は、その比率を20・3%から19・1%に下げている。米国からの輸入は15・7%が17・6%となり、その比率を少し拡大した。
 ブラジルの輸入に占める割合が最も低下したのは南米諸国で、同期間中の比率は17・6%から11・4%にと6・2%ポイントも低下した。
 中国から輸入する産品の内容も変化しており、工業製品のように付加価値の高いものが増えている。工業製品を15部門に分けてみた場合、輸入が増えた部門は11、06年のレベル並みが3部門、輸入が減ったのは1部門だけだった。
 06年と20年を比べた場合の比率増が顕著なのは、10%が23%に増えた機械と設備や、10%が29%に増えた化学製品、24%が50%に増えた電気材料だ。従来はアジア諸国からは輸入されていなかった自動車も、2%から11%に比率を延ばした。ファインケミカルも1%から14%にと躍進している。
 これにより、EUや日本からの輸入は15部門中11部門で、南米諸国や米国からの輸入は13部門で減っている。

 ただし、中国との貿易が盛んになった事で弊害も起きている。それは、ブラジル経済で最も成長した部門で、同国への依存性が高まった事だ。
 ブラジルの関係者は、中国との貿易が盛んになる事で貿易が多様化し、アグロビジネスの分野でもより大量の肉の輸出や市場の掌握が可能だと考えていた。だが、実際には、大豆や鉄鉱石を中心とした一次産品を輸出して、付加価値の高い工業製品を輸入するというパターンが定着している。
 こういった事もあり、CNIは南米南部共同市場(メルコスル)とEUとの自由貿易協定の迅速な締結を望んでいる。欧州との交易には双方で工業の参加があり、バランスがとれているし、南米諸国からの品への関税率がEUから輸入する場合以上に下がるからだ。
 CNIでは、メルコスルとEUとの貿易協定は中国との貿易が増えた事で変貌したラ米地区での交易改善にも役立つと考えている。ラ米諸国も中国へのコモディティ輸出を増やしており、域内交易が減っているからだ。
 CNI国家統合政策担当マネージャーのファブリジオ・サルデリ氏は、「EUとの貿易協定締結によって交易環境が改善し、欧州諸国からの投資の実が見え始めれば、ラ米諸国への輸出も増える」という。
 ただし、ブラジルが国際的な競争力を高め、貿易協定締結の恩恵を最大限に利用するためには、国内の税制・財政改革とそれによるブラジルコスト低減が不可欠な事も強調した。

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