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《ブラジル》デルタ株感染者84%増加=新規感染者の61%占める=流行中心地リオで入院急増

リオ市はデルタ株の流行中心地と認めたパエス市長(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

 新型コロナウイルスの中でも感染力が強いデルタ株(インド株)による感染拡大が進み、17日現在の同株感染者は1週間で84%増え、1051人となったと17日付現地サイトが報じた。
 17日現在のデルタ株感染者は、リオ州431人、サンパウロ州231人、リオ・グランデ・ド・スル州119人、連邦直轄区87人、パラナ州56人、サンタカタリーナ州38人、ミナス州20人、セアラー州16人、ゴイアス州14人、マット・グロッソ・ド州12人、マラニョン州とペルナンブコ州、エスピリトサント州各7人、パラー州3人、アラゴアス州2人、トカンチンス州1人の1051人だ。
 死者は、パラナ州19人、リオ・グランデ・ド・スル州8人、リオ州7人、連邦直轄区2人、ゴイアス州とマラニョン州、ペルナンブコ州、ミナス州、サンタカタリーナ州各1人の41人だった。
 10日には感染者570人、死者36人だったから、感染者は84・4%、死者は13・9%増えた。
 全国の新規感染者のサンプルを解析した結果、デルタ株の感染例は38・5%から61・2%にと増えた。その分、前回は60%だったガンマ株(マナウス株)は33・8%に減った。

 これだけ見るとブラジルの新規感染者の過半数はデルタ株という事になる。だが保健省によると、検体は南東部からのものが多く、デルタ株の比率は高いが、全国的に見るとまだガンマ株による感染が主流だという。
 デルタ株感染が最も深刻なリオ州では、同株感染者が206人から2・1倍の431人になった上、17日現在の7日間平均の新型コロナ感染者が、14日の3119人より369人多い3488人に増加。18日には7市の集中治療室占有率が100%に達した。
 リオ市は15日午後、新規感染者の56・6%はデルタ株感染者で、入院者数も10%増加と発表。市保健局長は、「デルタ株は家族全員を感染させている」とし、入院者数はまだ増えるとの見解も示した。
 パエス市長は13日、同市が同株の「流行中心地」である事を認め、集中治療室の増設を決めた。他方、同州教職員組合は18日、リオ市の市立校の閉鎖を要請した。
 デルタ株の感染拡大はサンパウロ州でも深刻で、同株感染者が1週間で2・4倍に増えた。サンパウロ州保健局は18日、デルタ株感染が増えている事を認めた上で、同州ではまだコントロールできているとの見解を表明。規制緩和継続の意向も示した。

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