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《ブラジル》独立記念日の大統領派デモが暴徒化する恐れ?=軍人や軍警が威嚇行為か=首都ホテルが前日から満杯=懸念する国際共同声明も

2003年9月7日、独立記念日の軍事パレード(ブラジリア、Victor Soares/ABr)

 今日、9月7日の独立記念日にあたり、ボルソナロ大統領支持派の軍人や警察官、トラック運転手らが暴動を起こさぬよう、州や警察は警戒を強めている。また、世界の元大統領や政治家たちが、この日に暴動が起きぬよう、強い警鐘を鳴らしている。6日付現地紙が報じている。
 「独立記念日に何かが起きるのではないか」という懸念のきっかけは、ボルソナロ大統領が、来年の選挙での導入を熱望していた「印刷付き電子投票」(ヴォト・インプレッソ)が選挙高裁に強く反対された末、下院でも却下されたこと、さらに、ブラジル労働党(PTB)党首のロベルト・ジェフェルソン氏らが最高裁管轄の「デジタル・ミリシア(ネット犯罪者)捜査」で逮捕されたことに激怒。ネットで独立記念日の抗議行動を呼びかけ、その輪が軍人や警察官、トラック運転手を中心に広がったことにある。
 こうした抗議行動は全国的に行われる予定だが、不安視されているのはブラジリアで最高裁への抗議行動を行う人たちの存在だ。全国各地から集まる人たちで、ブラジリアのホテルは4日の時点で既に、6~7日は満杯になっていた。
 こうした動きに対し、最高裁や州、警察も警戒を強めている。3日、連邦警察は最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の命令により、大統領派のブロガー、ウェリントン・マセド容疑者を逮捕した。同容疑者はSNS上で「最高裁に侵入せよ」などの発言を行っていた。

ブラジリアの風景(Marcello Casal Jr.)

 また同じ3日、トラック業界のボルソナロ派リーダー格のマルコス・アントニオ・ペレイラ・ゴメス(通称ゼー・トロヴォン)容疑者にも、ネットでの暴言で逮捕命令が出されている。ゼー・トロヴォン氏は現在逃亡中で、3日には「7日に民衆が見ている前で自首してやる」と語って最高裁を挑発した。5日には、違法な命令に従う必要はないとして警官に「腕を組んで見ていればよい」と呼びかけた上、「こいつ(モラエス判事)は全ての限界を超えた。俺たちはそんなことは受け入れない」として、暴動を煽るビデオ・メッセージを送っている。
 またツイッター上では、ミナス・ジェライス州の元軍警が4日、モラエス判事に対して「俺たちはお前を殺す」と書き込んだことが確認されている。
 5日には、7日デモを扇動し、デモの団体に資金提供を行った疑惑をもたれているカルラ・ザンベッリ下議(社会自由党・PSL)が連邦警察への供述を求められた際、「モラエス判事は限界を超えた」と発言し、罷免を求める発言を行ったことが確認されている。
 こうしたブラジルの状況を憂慮し、6日、全世界26カ国、150人の議員や大臣などの政治家や学者たちが、7日に起こりうる暴動に反対し、民主主義を遵守するように求める共同声明を発表した。その中にはコロンビアのエルネスト・サンペル氏、パラグアイのフェルナンド・ルゴ氏といった大統領経験者も含まれている。
 また、中道勢力「セントロン」や最高裁は連邦政府に対し、「7日の抗議活動の結果はボルソナロ氏の2022年の大統領選に悪影響を及ぼしうる」と警告を行っていることも報じられている。 

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 今日は独立記念日。軍人や警察官などの強面のボルソナロ大統領支持派が、事前に最高裁への抗議活動を宣言していることから、不安を感じている国民も少なくない。1988年憲法の制定に尽力したウリセス・ギマリャンエス氏は、「憲法を裏切るものは国を裏切る者だ」の名言を残しているが、それを忘れないでいてもらいたいところ。

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