ホーム | ブラジル国内ニュース | 《サンパウロ市》路上生活女性を433円分万引きで逮捕「空腹の家族に食べさせたくて盗んだ」

《サンパウロ市》路上生活女性を433円分万引きで逮捕「空腹の家族に食べさせたくて盗んだ」

ブラジリアの高等裁判所(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

 41歳の路上生活者の女性が9月29日、サンパウロ市南部のスーパーで600ccのコカコーラとインスタントラーメン2個、粉末ジュース1袋を万引きして現行犯逮捕された。女性には2、3、6、8、16歳の子供がおり、盗んだ品物の価格は21・69レアル(約433円)だった。
 その件に関してブラジリア高裁の判事が12日夜、拘留されていた女性への人身保護令適用を認めて釈放したと13日付G1など複数のサイトが報じた。
 女性は再犯だったが、彼女には5人の子供がいるのに、失業中で食料品を買う金がなく、空腹を訴えていた家族に食べさせたくて盗みを働いたというサンパウロ州司法支援局の言い分が認められた形となった。
 司法支援局の担当者が判決後すぐに、サンパウロ州の裁判所に連絡をとったため、女性は13日に釈放された。
 サンパウロ州の裁判所のシステムによると、この女性は2019年から子供達に対する親権喪失の訴訟に直面している。家族を養育する権利の喪失は、既に2度、確認されているが、現在は高等裁判所での判決を待っているという。
 サンパウロ州司法支援局はサンパウロ州の裁判所にも人身保護令の適用を要請していたが、サンパウロ州地裁の判事3人は、女性は特定の犯罪を繰り返しており、今後も犯罪を繰り返す可能性があるなどの理由で、7日に人身保護令適用要請を棄却した。これを受け、司法支援局はブラジリアの高等裁判所に上訴していた。
 サンパウロ州の裁判所のサイトによると、この女性は、建設中の私有地にグループで侵入し、50メートルの電線を盗んだ嫌疑で有罪判決を受けている。

 また、2014年にもグループで民家に侵入し、50メートルの電線を盗んで、現行犯逮捕され、有罪判決を受けた。この時は1年9カ月の実刑判決を受けたが、判決当日に社会奉仕の代替刑に切り替えられた。
 2018年6月15日にはサンパウロ市南部の薬局で、19・40レアルの芳香剤を盗んだと訴えられた。この日は、同じ地区のスーパーで食品や衛生用品で283・33レアルの盗みを働いた嫌疑で告発されている。この時は1年4カ月の実刑判決を受けたが、この時も社会奉仕の代替刑に切り替えられている。
 今回の判決の対象となった9月29日の事件では、犯罪後に現場から逃げたが、軍警に追われて転倒。額にケガをしたため、病院で手当を受けてから警察に連行されたが、捕まった時、「空腹だったから盗んだ」と弁明していたという。
 最高裁は既に、「自らの飢えを満たすためにごく小額の品を盗んだ人達を投獄する事は違法」とする判決を下している。今回の判決では、報告官のパシオルニック判事のこのような状況での拘留は違法との説を他の判事達も認め、人身保護令の適用が決まったという。

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