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《ブラジル》連邦警察がアルコルンブレ上議のいとこ逮捕=最高裁新判事の口頭試問に影響か

アルコルンブレ上議(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 連邦警察は20日、アマパー州で、前上院議長で現・上院憲政委員会委員長のダヴィ・アルコルンブレ上議のいとこを逮捕した。資金洗浄の疑いがある上、中南米の麻薬組織との関係も疑われている。これが、同上議が差し止めている最高裁新判事の口頭試問問題に影響する可能性もある。20日付現地サイトが報じている。
 逮捕されたのは、元アマパー州議のイザッキ・アルコルンブレ容疑者だ。同容疑者の逮捕は、連邦警察が同日行ったヴィカレ作戦によるものだ。同作戦はアマパー州のほか、サンパウロ州、リオ州、パラナ州、パラー州、マット・グロッソ・ド・スル州、アマゾナス州、セアラー州、ピアウイ州の各州でも敢行され、計52カ所の家宅捜査と23人の一時拘束が行われた。
 連警によると、イザッキ氏が逮捕された際、同氏の自宅では大量の出処不明の現金の山が見つかったという。具体的な金額はまだ計算されていない。
 連警が怪しんでいるのは、同容疑者がマカパー市内に所有する、小型機などへの航空燃料補給と保守作業のために使われていた飛行場の存在だ。連警は、これらの航空機はベネズエラやコロンビアなどの麻薬組織が麻薬を運ぶために使っていたものと疑っている。

イザッキ容疑者宅から押収された現金とメモ(Divulgação)

 イザッキ氏は、アルコルンブレ上議の母親のジュリア氏の兄弟であるサロモン氏の息子だ。アルコルンブレ一族は大家族として知られ、親族が30人以上いることから、同上議と同容疑者の関係性などに関しては不明な点も多い。アルコルンブレ上議自身は同作戦の対象とはなっていない。
 だが、連邦政府がこのスキャンダルを、アルコルンブレ上議自身が最大の障壁となっている最高裁の新判事承認問題に利用することが予想されている。
 アルコルンブレ上議は憲政委員会委員長として、最高裁判事承認に不可欠な口頭試問(サバチーナ)の日程決定など、強い権限を持っている。だが、ボルソナロ大統領が7月に指名したアンドレ・メンドンサ氏を承認するための口頭試問は、同氏が上院で不評なことなどから、いまだに日程さえ決まっていない。
 一部報道によると、同上議は、「(ボルソナロ大統領の任期が切れる)2022年末までは口頭試問を行わない」と語ったとも報じられている。
 連邦政府が水面下で、今回の逮捕を材料にしてアルコルンブレ氏に何らかの裏交渉をするのではとの憶測もでている。

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