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《ブラジル》コロナ禍=子供の死亡率は世界2位=小児科医が接種強く提唱「若年者を後回しにするな」

新型コロナによる子供の死亡率は世界第2位と報じる6月7日付エスタード紙電子版の記事の一部

 世界中がコロナ禍に翻弄される中、ブラジルでも青少年へのワクチン接種やハイリスクとされる人達への補強接種が進んでいるが、今度は子供達への接種に取り組むべき時だと小児科学会の医師が声を上げていると11日付G1サイトが報じた。
 この医師はブラジル小児科学会感染症部門長のマルコ・アウレリオ・サファジ氏だ。同氏によると、どの国も重症化しやすいグループへの接種を優先し、重症化しにくいとされてきた子供は後回しにしてきたが、9月からは子供への接種を始める国が増えているという。
 また、他の年齢層へのワクチン接種が進展すれば新型コロナ感染症者に占める子供の割合が高まるのは当然とした上で、ブラジルはコロナ感染症による子供や青少年の死亡率が他国より高いと指摘。「保健省は国家予防接種計画から子供達を排除しているが、早急に子供への接種を始めるべきだ。私達は赤ん坊への接種も考えている」と語った。
 7月20日付UOLサイトによれば、10~19歳のコロナの犠牲者は1月~7月19日だけで1581人で、同年代の外的な力によらない死者数で最多を記録。6月7日付エスタード紙によれば、1月~5月前半の0~9歳の死者は948人で、同年代のコロナによる死亡率32・6人/100万人は、ペルーに次ぐ2位だった。

ペルーでの子供に対するワクチン接種キャンペーンの様子(LEGADO Lima 2019)

 ブラジルでは現在、12~17歳への接種と、高齢者や免疫力の低い人、医療従事者への補強接種が進行中だが、11歳以下の子供用ワクチンは承認さえされていない。
 米国でも子供への接種が始まった事で、サンパウロ州などが子供への接種を希望しているため、国家衛生監督庁(Anvisa)は9日、ファイザー社と5~11歳児への同社製ワクチン適用について話し合った。承認作業は同社からの申請待ちだ。
 他方、サンパウロ市のブタンタン研究所は9日、南アフリカやチリ、マレーシア、フィリピンで行われた3~17歳児での治験でコロナバックが好結果を得たと発表。治験では、無作為に選んだ被験者2140人にプラセボかワクチンを接種して効用を調べた。また、治験中に出た主な副反応は接種部の痛みや頭痛、発熱で、2度目の接種時の副反応は初回より弱いという。
 3~17歳児へのコロナバック使用承認国は、中国、チリ、エクアドル、エルサルバドル、コロンビア、カンボジア、インドネシアだ。
 10日現在のブラジルの感染者は2190万9298人、死者は61万36人となった。死者が60万人から61万人になるまでは33日間で、30万人から40万人までの36日間と比べると約10分の1だ。感染者や死者減少の最大要因はワクチン接種とされている。

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 コロナウイルスの感染者数、死者数がかなり減ってきているが、その一方でデング熱の感染者数が増えている。サンパウロ市の伝染病対策課が発表したところでは、今年は11月3日までに7172人の患者が確認されている。最も多いのは北部の1874人で、カショエイリーニャの382人、ブラジランジアの308人が特に目立っている。また、東部や南部も1701人と1540人が感染。地区別では、南部のジャルジン・サンルイスで286人、東部のシダーデ・リーデルとシダーデ・チラデンテスで各々、264人と254人など、様々な地区で多数の感染者が出ており、「この地区なら大丈夫」というところはない。幸い、今年はまだ死者が出ていないが、くれぐれも、貯め水を避けるなどの衛生対策を心がけたいところだ。

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