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援協、友好病院・診療所=会員割引を制限=恩典を家族に適用せず=医療費と利用者が増大=運営が苦しくなって

2005年12月17日(土)

 大サンパウロ圏に居住する援協新規入会者資格が家族制から個人制に変わり、その結果扶養家族に対する総合診療所・日伯友好病院での割引がなくなることになった。医療費・利用者の増大に伴う会費と恩典の格差を是正するため。十五日の定例役員会で決まった。日系コロニアを基盤にして生まれた診療所と友好病院。援協は可能な限り日系人の医療福祉に貢献しようと、一九九九年に現行の割引制度を導入した。病院運営の難しさなどから、恩典を一部制限せざるを得ない状況になった。
 「会費というのは、福祉活動に協力してほしいという目的で集めているもの。しかし、私たちの持ち出しが多い状態に陥っています」。建林成幸専任理事(地区組織委員長)は、そう窮状を訴えた。
 会員は妻、十八歳未満の子供、同居中の両親を含めた家族制になっている。診療所や友好病院での診察・検査・入院に対して、二割~六割の割引をしてもらえ、もちろん利用回数に制限はない。
 これに対して会費は年額会費が四十七レアルで、この日の理事会で五十レアルに値上げすることが承認された。会費は福祉部の援助費に回されるが、福祉部は〇六年度に約五十万レアルの赤字予算(案)を組むのが現状。会費と会員恩典との〃収支バランス〃を考慮すれば、援協の〃支出〃が大きいわけで本来の目的に叶っていない。
 診療所や友好病院が赤字運営になっているわけではないが、扶養家族にまで会員として扱うのは恩典の与えすぎだとの声が上がっていた。
 「日系人には、健康保険に加入していない人が多く、病院の窓口で一般料金を支払わなければならない。病気になった時、病院にいきたくてもいけない人がいる。そういう人を少しでも手助けしたいと割引を始めたのですが、現状の医療制度では財政的に支えられない」(事務局)。
 援協としても、会員割引を制限することは苦渋の判断だったようだ。地域差をつけたのは、大サンパウロ圏に住む会員の利用度が地方在住者に比べて大きいため。約一万六千人のうち、六二%がサンパウロ市内に住んでいる。
 「診療所や友好病院で割引してもらえるから、入会したい」。そういう動機で会員になる人もいるはずで、援協との意識に開きもみられそう。
 事務局は「日系人の医療・福祉を支援するのが援協の使命だから、大サンパウロ圏の会員が家族制から個人制に移っても、別な形で協力できる方法を考えたい」と話している。

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