俳句
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ニッケイ俳壇(846)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 迷い入れし冥土の如く寒夕焼枯れるもの枯れ麻州野は夕焼けて風止みしこの静けさも夜の秋珈琲園耳の短い兎住む鋤焼きの最後は餅を入れて食ふ【一九一五年十月三日生れ
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ニッケイ俳壇 (845)=富重久子 選
サンパウロ 間部よし乃 冬帽子買って話が又弾み【どこか友達と旅をした時の事であろうか。賑やかにあれこれ帽子を選んでは被ってみて、皆それぞれの好みの帽子を買い満足して店を後にすると
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ニッケイ俳壇(844)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 秋深し味噌つけて焼くにぎり飯サボテンの実を紅くして露寒し地ひびきのして秋の雷鳴り渡る立ちのぼる焚火煙りに散る木の葉朝寒しねじり鉢巻して無職【最近の『俳誌・
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ニッケイ俳壇(843)=富重久子 選
プ・プルデンテ 小松 八景 移民の日語り伝へて次世代へ【六月十八日はいみじくも「移民の日」である。戦後移民の私共には、その苦労の真相は新聞や書籍、或いはその方々から聞かされる実話に
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ニッケイ俳壇(842)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 大王椰子銀河を浴びて身じろかず俳恩をかしこみ虚子を祀るなり移住地は山鳩鳴いて虚子祀る柵を出て仔を産む豚や竹の春麻州野の牛追ふ馬も皆肥えて 北海道・旭
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ニッケイ俳壇(841)=富重久子 選
サンパウロ 松井 明子 蔓サンジョン眺めつ遠き旅に出る【「蔓サンジョン」はブラジル原産。街中ではあまり見られないが、郊外から奥地に行くと崖に蔓を伸ばしたり牧場の柵に巻きついたりし
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ニッケイ俳壇(840)=星野瞳 選
セーラドスクリスタイス 桶口玄海児 万の民に秋の夜空の美しきアレルイア咲けばアレルイアの山と呼び蜻蛉の空を汚せしウルブの輪マンジオカ州が変れば名の変り 北海道・旭川市 両瀬
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リベイロンピーレス=第23回全伯虚子忌俳句大会=総合点1位は中馬和子さん
第23回全伯虚子忌俳句大会が4月21日にリベイロンピーレス市で開催され、各地から俳句愛好家約60人集まった。兼題は虚子忌、運動会、栗、歓喜樹、秋の水。5人の選者が特選、次点の選考を行い、また参加者全
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ニッケイ俳壇(839)=富重久子 選
サンパウロ 串間いつえ 身に入むや故人となりし事知らず【「身に入む」は、秋も深まって寒さが身に入むと言うことと、また身内に深く感じ主観のこもった意味あいもある「深秋の季題」である
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ニッケイ俳壇(838)=星野瞳 選
セーラドスクリスタイス 桶口玄海児 母作るボリンニャデシューヴァ夏休み雨降れば人恋しがる山家猫マンゴー樹をマリタカの群れ襲いたるブラジルの萩水昌村の霧宿しインジオの少年を呼びラン捕りに(ラン