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文芸

連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(118)

ニッケイ新聞 2014年3月18日 『問題霊ですか』 《そうです。問題霊はいくら努力しても、成仏出来ないそうです。この世で他殺と判断されていればよかったのですが、森口さんの巧妙な手口で病死と判断され、森口さんに刑罰が下りません。その状態では成仏出来ないそうです。それで貴方達にお願いする為にローランジアに飛んできました》 『私達に ...

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刊行『蜂鳥』

ニッケイ新聞 2014年3月18日  句集『蜂鳥』317号が刊行された。  「蜂鳥集」より3句「ただ暑し重き手足をもてあます」(畔柳道子)「旅つづく持てあましたる夏帽子」(須貝美代香)「ふくませて筆の走りや書始め」(青木駿浪)、特別作品「苦瓜」(馬場園かね)ほか。

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(117)

ニッケイ新聞 2014年3月15日 「そうですか。その人影、きっとこの車にいますよ」 「えっ! 中嶋さん、本当ですか? それ・・・、そう言われれば、私も、なにか気配を感じます。あれは霊影(れいえい)だったのでしょうか」 「冗談はよして下さい。和尚さん二人がコンビして私を驚かすなんて趣味が悪いですよ」 「冗談ではありません。確かに ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(116)

ニッケイ新聞 2014年3月14日 古川記者が重い腰を上げて、 「じゃー、帰りますかー」 「はい」黒澤和尚と中嶋和尚が元気よくソファーから立ち上がった。 「(送って行くか?)」古川記者の誘いにマルレニが、 「(ありがとう。私達、朝までここにいるの)」 「(じゃー、俺達帰るから)バイバイ」皆、抱合って別れを惜しんだ。 帰る車の中で ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(98)

ニッケイ新聞 2014年2月14日 「私の祖先は江戸時代からずっとお寺の住職です」 「じゃー、中嶋さんもお寺の住職ですね?」 「自動的には、・・・、そうです。ですが、それに疑問を持ちまして・・・」 「疑問?」 「ええ、私と一緒に修行していたサラリーマンあがりの立派な方がいて、この方は住職どころか、修行後の行く場所もありません」 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(115)

ニッケイ新聞 2014年3月13日 状況がはっきり理解出来ない古川記者に、中嶋和尚が心配して、 「どうしたのですか?古川さん」 「中嶋さんのお経が原因で、俺達が彼女等にセックスサービスしなくては・・・、大丈夫だろうか・・・」 ポルトガル語が少し分かる黒澤和尚が、心配顔の古川記者に代わって、 「要するに、ただでー、出ましょうと言っ ...

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刊行=『上塚司のアマゾン開拓事業』=孫芳郎、中野順夫氏が共著

ニッケイ新聞 2014年3月12日  アマゾニア産業研究所の80周年を記念し、上塚芳郎、中野順夫さんが『上塚司のアマゾン開拓事業』を昨年に刊行した。限定500部。高野書店で販売中(協力費として100レアル)。  上塚のおいたちと植民思想に触れ、ヴィラ・アマゾニア建設、アンディラー模範植民地、アマゾニア産業株式会社、ジュート産業な ...

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ピンドラーマ、3月号

ニッケイ新聞 2014年3月11日  コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』3月号が発刊された。  「移民の肖像」では戦後第1回ジュート移民の硴久博(かきひさ・ひろし)さんを紹介。その他「各国移民レポート 韓国編2」「ブラジル教育事情」やサッカー、グルメといった毎月のコーナーも。  問い合わせは同出版社(11・3277・ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(114)

ニッケイ新聞 2014年3月11日 「(私、名前、黒澤、ある。よろ~しく、ある)」 黒澤和尚はなんとかカタ~コトのポルトガル語で答えた。 「よし、これで三人、いや、三組出来た。じゃー、出よう」 「(どこへ行けばいいのだ?)」 一番セクシーで大きなマルレニが少し怒った顔で、 「(なによ、この日本人達、なんにも分かっちゃいないわ・・ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(113)

ニッケイ新聞 2014年3月8日 古川記者は腕を組んで、首をひねり、 「俺の通訳、どこで間違ったのかな?」 「(私、決めたわ、絶対に彼と出るの、だから・・・、あなたが決めてよ)」 「(俺も困るな~。男の値段を決めるなんて初めてだ。出来ないよねー)」 「(もう、どうでもいいわ、五十ドルにしましょう)」 「(五十ドル?! 中嶋は、百 ...

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