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日本の水が飲みたい=広橋勝造

連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(174)=完結

 それから三年後、ローランジアで黒澤和尚から厳しい密教の指南を受け、印可状(認可証書)を授かった中嶋和尚は、サンパウロの東洋街の東の端に小さな『聖真寺』(架空)を創建、新しい宗派『聖宗』(架空)を開いた。 『ポルケ・シン』食堂を逃げ出し、修行に出た『聖観音』は、誤ってサンパウロ市の北を流れるチエテ河に落ち、漂流しているところをサ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(173)

「あの世で井手善一和尚が『日本の水』旅行プランを企画され、たくさんの先駆者の仏が応募しているのをイマジネーションしました。井手善一和尚は仏界でも色々なアイデアで活躍なされているようです」「ええっ!中嶋さん! 本当ですか? その旅行を取材しなくては!」 西谷が、「皆さん、この辺でお茶会を終わらせましょう。皆さんご苦労さまでした。仏 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(172)

 法要が終わった一時間後、境内の施設で、このお寺を紹介した西谷副会長の奥さんと娘さんが田口聖子を偲ぶ茶会を用意していた。「お茶をどうぞ。このお寺の裏庭で摘まれ、住職ご自慢のお茶です」 美味しいお茶の話題が一段落したところで中嶋和尚が、「皆様、今日は田口聖子さん、戒名『聖正堂阿弥陀尼院』さんの法要に集まっていただき有難うございまし ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(171)

「皆、日本訪問が叶う事で大喜びしています」それを聞いたジョージが、「また、JANの謎のオーバーブックが増える・・・」《貨物便を利用します》井手善一和尚からジョージに霊交があった。「村山羅衆と小川羅衆は中嶋和尚の助っ人としてこの世に残りたかったようですが、どこに消えたんだろう?」 古川記者が目を細めて、「あの二人は、中嶋さんにとっ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(170)

「送電には必ずプラス・マイナスの二本の送電線が必要だそうで、その二本で行き帰りの閉回路と云うループ・サーキットを構成しなくてはならないそうだが、イタイプー発電所からサンパウロ大都市近郊まではたったの一本で送電されているんだ」「もう一本は?」「もう一本は地べた、つまり地球がもう一本の送電線として利用されているんだ」「危なくないのか ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(169)

第三十三章 理想 二日後、ロンドリーナ大学病院で緊急治療病床から一般病棟に移された中嶋和尚と黒澤和尚がブドウ糖の点滴を受けていた。そのベッドに腰掛けた古川記者が、「では、救われた世界の平和と和尚さん達の快復を祝って乾杯しましょう」病院内を尊重してジュースと小声で乾杯した。 ジョージが、「中嶋さんの症状は本当に危なかったんですよ。 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(168)

 それをご確認された『大日如来』さま率いる豪華仏装集団と、勝利を確認して、夢幻像の過去のジャングルから戻った完全仏装の天王大集団は一つの観音様を残してローランジア条心寺別院(架空)から霊香と『ゴ、ゴ、ゴーーーン!』と風雲を残して消え去った。 豪華な仏装集団に腰を抜かしていた古川記者が自慢の高級腕時計を見て、「あっ、時間切れだ!  ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(167)

 『天眼通』の像に写る過去のジャングルの中にいるブラジル日系野戦羅衆団の先鋭隊の下にたくましくなったインディオ羅衆団が次々と現れると状況が一変、悪霊達は、武仏となったインディオ羅衆に追われ逃げまどった。悪霊に惑わされ。迷って中立を守る羅衆達はブラジル日系野戦羅衆達に説得され投降し始めた。しかし、それにも増して悪霊達も増えていた。 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(166)

 古川記者が、「ジョージも一緒に呼び戻して羅衆に・・・」「ジョージさんは過去にはいなかった方ですのでこれ以上活躍出来ません」「役に立たないのであれば呼び戻しましょう」「村山羅衆や小川羅衆もついでに現在に呼び戻します」 古川記者が心配顔で、「中嶋さん、インディオ達は仏教に帰依しますか?」「ブラジリアの空港でたくましいインディオ達を ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(165)

「私の力不足です」 中嶋和尚は生き仏になろうと決心した、その時、精霊の群れが二つに分かれ、その間から、成仏を断ったあの霊獣化していたトメアスの先駆者達が、上半身裸のリーダーを先頭に現れた。《中嶋和尚! 我々を直ぐ成仏させ戦いに参加させて下さい。霊獣化した我々は一人で成仏出来ないのだ。助けてくれ、お願いだ》 考えた中嶋和尚が、「そ ...

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