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記事一覧

赤レンガとイエロー・カフェ

グルメクラブ 6月24日(金)  過日の夕暮れ時、チラデンテス通りに架かる歩道橋の上から、赤レンガ造りの建築を眺めた。ルス駅と州立絵画館(ピナコテカ)である。夕日が映える壁に甘い感傷があった。  そのレンガが赤い理由は、焼き上げる際に空気中の酸素と土の鉄分が結びつき生じる酸化鉄のせいである。赤レンガ建築の本場はイギリスとオランダ ...

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えっ、尿?ブラジルのカクテル

グルメクラブ 6月24日(金)  カトリック聖人の誕生を祝う六月祭(フェスタ・ジュニーナ)で遊んだ。  裸電球をともした屋台が立ち並ぶ賑やかな光景をみて、幼い頃に親しんだ日本の縁日を思い出した。  ブラジルの六月祭はヴィニョ・ケンテやケントォンといったお酒が名物だから、大人も十分楽しめる。普段目にしないようなあやしげなカクテルを ...

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ブラジル料理雑記―4―ノルデスチ(中)

グルメクラブ 6月10日(金)  二〇〇〇年九月、女性誌「マリー・クレール」に興味深い記事が載った。「私はかつてランピォンの一隊に属した」と題されたそれは、当時七十七歳の年金生活者イウダ・リベイロ・デ・ソウザが、一九二、三〇年代の北東部旱魃地帯で跳梁した匪賊の大親分ランピォン、その妻マリア・ボニータらと過ごした二年間を振り返る内 ...

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SESC「給食」でグルメ入門+健康管理

グルメクラブ 6月10日(金)  「文藝春秋」四月号の戦後六十周年特集「消えた昭和」を見ていて、不思議に思った。「ほうきとちりとり」「原っぱ」「ちゃぶ台」「ご用聞き」「給料袋」「社員旅行」……。著名人が、それぞれの昭和をしのぶ好企画だが、〃食い物〃をテーマに選んでいる人は、何故かいなかった。  昭和というと私は、小中学生。個人的 ...

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ブラジルワインの「フェノメノ」誕生か

グルメクラブ 6月10日(金)  まさかアンタが。フォーリャ紙五月二十五日付インタビュー記事で、趣味を訊かれたフェノメノ(怪物)の異名をとるサッカーのロナウドが「ワインです」と笑顔で答えていた。  「その歴史とか、文化が好きなんだ。講習会にも通いたい」。トレードマークのすきっ歯丸出しの写真だ。  モデル嬢との「結婚」がご破算にな ...

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ブラジル料理雑記―4―ノルデステ(上)

グルメクラブ 4月26日(木)  イチ、ニ、イチ、ニ……とつぶやきながらステップを踏む彼の表情は必死だ。逆上がりに取り組むコドモのような顔をしている。まず右に二歩、ついで左に二歩。フォホーの踊りの基本的な動きを、中年になりかけのカラダに覚えさせようとしているが、なかなかスムーズにいかない。額には大粒の汗が浮かんでいる。踊りの相手 ...

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未来志向に意義唱える80年世代

グルメクラブ 4月26日(木)  どこのだれが買って読むのだろう、と思っていた本が売れている。「アルマナキ・ドス・アノス80」(エジオウウロ出版)は、「八〇年代年鑑」の題名通り、その時代の文化風俗を豊富な資料で振り返る内容で、先々週のノンフィクション部門の売り上げ第三位にランクしていた。  二十年前を懐かしむということは、主な購 ...

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カシャッサ。をプロディース

グルメクラブ 4月26日(木)  不調和の中の調和とでもいうのか。「美は乱調にあり」の造型感覚で世間の度肝を抜いたスペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館を設計した建築家フランク・ゲーリーが、酒瓶のデザインを手掛けた。  ポーランドを代表する銘柄で世界二位の出荷量を誇るウオッカ・ビボロワ(wyborowa)に捧げた、ゲーリーの「 ...

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アマゾン、グルメの未来

グルメクラブ 4月29日(金)  アマゾンの料理、食べたいんですけどオ。  交流団体を通じて、あるいは語学やスポーツ留学のため、この時期日本からわんさかやって来る青年らが、そんな要望を出して来たらどう対処する?  ブラジルといえば日本ではまずアマゾンだ。移住者なのに、「いい店を知らない」と答えるのもちょっと恥ずかしい。だって、既 ...

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ブランドの力

グルメクラブ 4月29日(金)  しょうゆや味噌の大手さくら・中矢アリメントスが、ワイン業界に乗り出すと聞いたときの衝撃は、ヤクルトが化粧品販売を始めたときに匹敵した。  ホンマカイナ。北陸の生まれなのに、関西弁が口をついて出たほど驚いた。だが、少し考えて納得した。しょうゆ、味噌、ワインはいずれも、発酵作用を応用した醸造食品であ ...

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