ホーム | 連載 | 2008年 | 実りの葡萄の名産地=ペトロリーナ・ジュアゼイロを訪ねて

実りの葡萄の名産地=ペトロリーナ・ジュアゼイロを訪ねて

 サンパウロ市から約二千三百キロ北にあるジュアゼイロ(バイーア州)とペトロリーナ(ペルナンブコ州)の両市は、ミナス・ジェライス州に発するサンフランシスコ川を挟んだ兄弟都市だ。一九七〇年代から国家プロジェクトとして進められた灌漑事業により、国内屈指の輸出ブドウ生産地に変貌を遂げ、カーチンガといわれるサバンナにも似た乾燥疎林地帯の中に蜃気楼のようにビルが林立する。一九八三年、コチア産業組合が募集した三十の日系家族がこの〃神に捨てられた土地〃に新たな夢を見てから四半世紀。現在では、二百家族、約七百七十人がブドウ、マンゴーなど果実栽培を中心に根を張る。サンフランシスコ川流域の日系人農家を訪ねた。(堀江剛史記者)

実りの葡萄の名産地=ペトロリーナ・ジュアゼイロを訪ねて=連載〈4・終〉=06年誕生の若手農協=米・欧州に5千トン出荷

ニッケイ新聞 2008年11月1日付け  「何とか頑張ってますよ」。大きな体を揺らせて笑うのは、ノーヴァ・アリアンサ農業協同組合(COANA)の藤山エリアス会長(44、二世)。  COANAは、〇六年に大規模生産を行う五家族が加盟した新農協。年間に五千六百トンを生産、アメリカ、欧州に輸出する。  収穫したブドウを新鮮なまま保存す ...

続きを読む »

実りの葡萄の名産地=ペトロリーナ・ジュアゼイロを訪ねて=連載〈3〉=種なしブドウで輸出拡大=農薬使用制限への危惧も

ニッケイ新聞 2008年10月31日付け  「ブドウの作り方は変化していくから、頑固な日本人はついていけない人もいる。でも、ここ数年で出たのは五家族だけ。成功してるといえるんじゃないかな」―。  九月上旬、収穫を直前に控え、作業員らにテキパキと指導しながら、地域の景気を説明するのは、松本ケンさん(連載一回目)の兄シュンさん(45 ...

続きを読む »

実りの葡萄の名産地=ペトロリーナ・ジュアゼイロを訪ねて=連載〈2〉=灌漑事業で恵みの土地へ=83年入植、コチアが募集

ニッケイ新聞 2008年10月30日付け  ペトロリーナ、ジュアゼイロの植生はカーチアンガ(乾燥疎林地帯)と呼ばれる。年間降水量平均五百ミリ、〃神に見捨てられた土地〃とも言われるほど、過酷な自然環境で知られる。  ブラジル政府は一九四五年に国家旱魃対策局を設置、多くの大容量貯水池を築造したが、活用されることはなかった。  一九七 ...

続きを読む »

実りの葡萄の名産地=ペトロリーナ・ジュアゼイロを訪ねて=連載〈1〉=ペトロリーナ=成長続けるブドウの里=端境期利用し輸出拡大

ニッケイ新聞 2008年10月29日付け  サンパウロ市から約二千三百キロ北にあるジュアゼイロ(バイーア州)とペトロリーナ(ペルナンブコ州)の両市は、ミナス・ジェライス州に発するサンフランシスコ川を挟んだ兄弟都市だ。一九七〇年代から国家プロジェクトとして進められた灌漑事業により、国内屈指の輸出ブドウ生産地に変貌を遂げ、カーチンガ ...

続きを読む »