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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会

立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(8、終)

奥が長谷川さん、手前が上野会長

【深沢】ブラジルだと自宅で亡くなるとIMLに連れて行かれて面倒なことになってしまう。  そういう時に援協からお医者さんが来てくれて看取ってくれたら、医師立会いでの臨終ということで面倒なことも起きないと思います。 【上野】私のところにはね、辺原さんというお医者さんの親子が居らしてね、月に一度、無料で血圧測定してくれる。自宅で人が亡 ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(7)

笑顔でリハビリ中の高齢女性(muon-ashさん撮影、「写真AC」サイトより)

いざという時の連絡先もポ語で 【長谷川】日本の高齢者よりもブラジルの高齢者のほうが、よく外に出ますね。そして若く見える。日本の高齢者は家に篭りがちです。 【深沢】日本の方が交通事情が整っているし、治安もいいから、外に出やすいはずなんですけどね。 【上野】日本は堅苦しいじゃないですか。隣に何か用事で行くにしても何か持っていかなきゃ ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(6)

日伯友好病院の正面玄関

子供がいても遠方住まい 【深沢】長谷川さんは巡回診療で地方の方と沢山お会いになる機会があると思いますが、地方の方は終活についてはどういう感じなんですか? 【長谷川】地方在住者338人にアンケートをとったんですけど、独居と高齢夫婦世帯の割合が高くて、2つを合計すると全体の半数にもなりました。要は高齢者だけで生活しているという人が多 ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(5)

長谷川さん

子供に願うことはポ語で遺す 【長谷川】家族が居ても自分の葬式については話しておいたほうが良いですよ。私の母が亡くなった時には父がお葬式をあげたので普通にできました。  ですが、父が亡くなったときには、急だったこともあって兄弟が葬式のやり方で揉めてしまって、それが原因で仲が悪くなってしまったんです。 【深沢】前もって葬式について意 ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(4)=子供がいない一世夫婦は?

お墓参りの様子(あかりさん撮影〈写真AC〉)

【上野】子供がやるやらないは別にして、言っておくことは大切ですよ。私の知人で若くして亡くなられた方がいた。その人の家族は皆キリスト教。でもその人は小さいときから日本語を習ってて、日本の魂があったんでしょうね、『自分が死んだときには仏教でやってくれ』って言うとったんですって。若いのに。  その後のミサとかは奥さんがキリスト教式でや ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(3)

上野会長

仏教徒でもキリスト教で葬式? 【中川】最近、自分の最期は在宅医療か病院医療のどちらで迎えたほうが良いのか考えたんです。日本では在宅がいいという方が多いと聞きますが、自分は病院の方がいいなと思いますね。 【深沢】病院に世話になるっていうのは、具体的にはどこでとか考えてらっしゃいますか? 【中川】やはり日本語が通じるところがいいです ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(2)

40年余の間、邦字紙記者として過ごした石塚大陸さん

独身者が亡くなったら? 【深沢】大部総領事のエピソードに加え、なぜいま終活の座談会を企画したのかというと、ニッケイ新聞に長年勤めた名物記者の石塚大陸さんが昨年10月に突然亡くなったことがあります。  彼は生涯独身で、パウリスタ新聞の元記者Mさんと80年代から30年以上も一緒に住んでいました。ある日転倒して頭を強く打ち、一週間ほど ...

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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(1)

座談会の様子

 ニッケイ新聞編集部は、読者の「終活」(人生の終りに向けた活動)意識の高まりに応え、「移民の終活座談会」を行った。ブラジル日系熟年クラブ連合会会長・上野美佐男、同会第3副会長・中川浩己、介護士・長谷川美津子(JICAシニアボランティア)、本紙編集長・深沢正雪の4氏が参加し、移民ならではの終活の悩みを語り合った。 驚くほどキレイな ...

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