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立つ鳥あとを濁さず=移民の「終活」座談会=(7)

いざという時の連絡先もポ語で

笑顔でリハビリ中の高齢女性(muon-ashさん撮影、「写真AC」サイトより)

笑顔でリハビリ中の高齢女性(muon-ashさん撮影、「写真AC」サイトより)

【長谷川】日本の高齢者よりもブラジルの高齢者のほうが、よく外に出ますね。そして若く見える。日本の高齢者は家に篭りがちです。
【深沢】日本の方が交通事情が整っているし、治安もいいから、外に出やすいはずなんですけどね。
【上野】日本は堅苦しいじゃないですか。隣に何か用事で行くにしても何か持っていかなきゃいけない。ところがここはそうじゃない。戸を叩いて「おーい、おるかー?」って声掛けて入って行くじゃない。
【長谷川】楽ですよね。
【上野】そういう点が違う。
【長谷川】日本の研究では、外に出ると認知症になり難いっていう結果も出ていて、その点ではブラジルの方が予防が出来ているなって感じますね。
【深沢】サンパウロには熟連とかがあって、集まったりする場所があるからいいんだけど、地方に行くと文協の会館くらいしかなくて、そこに行くのも車がないと行けないってことで大変ですよね。
【中川】そうなのよね。頼めば家族も気持ちよく連れて行ってくれるんだけど、少しでも忙しそうにしてると、行きたくても言い出せなくなっちゃうのよね。
【深沢】一世の方は高齢になっているわけで、地方の文協で寄り合いが有るときは、誰かが車で回って集めて来てくれるっていうことをしてくれたりするとありがたいですよね。
【上野】日頃話し相手が居るのと居ないのとじゃ全然違うからね。
 でも外出すると何があるかわからないから、気をつけないといけない。僕は毎日散歩に行くとき、住所と電話番号をポルトガル語で書いたものを鞄にいれてる。子供も「パパイ持っとるかい」って聞いてくる(笑)。
【中川】そうですね。私の知人が前に交通事故に遭ったんです。助けに来てくれた人が鞄に電話帳が入っているのを見つけてくれたんですけど、全部日本語で、どこに掛けたら良いのかわからなくて、家族への連絡が遅れたんです。
 そうしたら家族が現場に着くまで、その人は道路に放っておかれたままになっていて、その後病院に運ばれたけど、その怪我が元で後に亡くなられてしまった。外に出るときには、何時そういうことになるかわからないから気をつけないといけないですよね。
【上野】あと、私のおじさんが植物状態になって丸3年在宅介護を受けてたんですよ。奥さんだけじゃ面倒見切れないって言うんで女中さんも雇って世話してましたけど、私はその姿を見て、自分も同じ状況になったら直ぐ処置をやめてもらう様に子ども達に伝えておかないといけないなって思って、いま話しをしてますよ。もしおじさんみたいに植物状態になったら、どっちも大変だからってね。
【深沢】延命治療に対してそういう考えを持つ人も増えてますよね。ブラジルはまだ少ないですけど日本だと延命治療を拒否する人増えてますから。
【長谷川】日本では看取り介護というものが定着してきています。看取り介護は、当人とご家族の了解がある上で行われるもので、自分でご飯が食べられなくなったあたりから、延命的な処置を行わないという介護方法です。
 食事が出来ないので、段々と衰弱していって、いわゆる老衰で亡くなられます。日本では臨終の時を自宅で迎えたいという人が多く、そうなると在宅医療、在宅介護が必要となります。(つづく)

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