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第64回全伯川柳大会=「無い袖も振らねばならぬ義理もあり」=移民の喜怒哀楽を込めて詠む

参加者の皆さん

参加者の皆さん

 ぶらじる川柳社(荒井花生主幹)は「第64回全伯川柳大会」を9月3日にブラジル日系熟年クラブ連合会の会館で行い、24人が参加した。兼題1位には「無い袖も振らねばならぬ義理もあり」(須賀とくじ)、特選賞には鈴木ふみさんが選ばれた。席題1位は「良き友の支え実となり花となり」(柿嶋さだ子)だった。

 荒井花生主幹(85、山形県)=聖州イグアッペ在住=に柳名の由来を聞くと「川柳を始めた3、40年前は花作りをしていて、景気も良くて鼻息が荒かった。だから『花で生きている』と『鼻息が荒い』をかけた」と説明した。「あの頃は、川柳大会をやると4、50人は参加があって賑やかだったな」と懐かしそうに語った。
 パラナ州パラナバイから参加した今立帰さん(81、福井県)にも柳名の由来を尋ねると、「僕は福井県の今立郡の出身で1955年に呼び寄せで単独移住し、59年からずっとパラナ州に住んでいる。体はいずれブラジルで朽ちていくが、魂は故郷に帰っていく。そんな意味を込めた」と説明。川柳の特徴を尋ねると「俳句は花鳥諷詠で自然を詠むが、川柳は人の心を詠む。季語がなく、口語体が使われて、とっつきやすい。喜怒哀楽が込められているので、コロニア選集を見ると昔の人の苦労が良く表現されている」と解説した。
【兼題(事前投句)】課題は「義理」及び自由吟合わせて3句。投句者42人、投句総数124句。その中から各自特選1句、佳作15句を選んだ。
▼1位「無い袖も振らねばならぬ義理もあり」(須賀とくじ)▼2位「義理人情苦難の道を助け合い」(那須アリセ)▼3位「義理がたい人におのずと輪が出来る」(渡辺文子)▼4位「ほどほどに義理を欠かさぬおつき合い」(鈴木ふみ)▼5位「義理という枷が重たい時もある」(中山哲弥)。
 特選賞には特選4つ獲得の鈴木ふみさんが選ばれた。4位となった「ほどほどに義理を欠かさぬおつき合い」(鈴木ふみ)に対し、柿嶋さだ子選では「何事もほどほどが無難。道義にさえ適っていれば最も理想的な処世術。一見平凡な句に見えるが、共感させられる一句」と評している。
【当日句】課題は「神話」。▼1位「移民史の神話となりぬ笠戸丸」(青井万賀)▼2位「荒む世に神話が諭す人の道」(坂口清子)▼3位「神武から神話の宝庫皇室は」(早川量通)
【席題】課題は「花」「命」で2句。投句者24人、投句総数48句。▼1位「良き友の支え実となり花となり」(柿嶋さだ子)▼2位「老いて尚未来夢見て花咲かす」(荒井花生)▼3位「移民道がんばり咲かせた苦労花」(久保久子)▼4位「身の丈を知ってか花は咲いて散る」(大城戸節子)▼5位「限りある命大事に今日生きる」(荒井花生)。
 実行委員の青井万賀さんは「4年前の第60回大会には投句者が63人を数えたが、今回は42人と、ほぼ3分の2に減少。移民社会の高齢化および人口減少が進んでいる」と兼題成績表の中で書いている。

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