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それぞれの感性でブラジル見る=全伯の研修先から集合―交流協会生35人中間発表

10月2日(木)

 ブラジル日本交流協会(山内淳会長)は、九月十九日から二十一日にかけて、日本語普及センターを会場に「第二十三期研修留学生中間研修発表会」を行った。ブラジル全土から三十五人が集い、半年にわたる研修を十分間でスピーチ。北はマナウス市、南はポルト・アレグレ市に散らばる各研修生たちが日常生活に加えて、研修地、研修先の様子、研修テーマなどを発表した。

 十九日、ブラジル全土から集まった、三十五人は日焼けした顔に、少々の疲労を覗かせていた。「この中間研修を、滑走路にして後半へ向けて飛躍して欲しい」林紀予子同会事務局員は、会の最初に切り出した。異国での五カ月の奮闘の末に、感じ取った若者たちの声を拾ってみた。
 現場に携わる研修生の言葉は鋭い。市原裕子さんは、サンパウロ州、サンベルナルド・ド・カンポ市、学校法人アルモニア教育センターで研修する。「ブラジルの義務教育~現場と教育」が研修テーマ。日本語授業の補助と、出稼ぎ子弟たちへの授業が主な仕事だ。
 教育現場に対して「ブラジルの教師は、日本と違い、生徒と割りきった関係で深入りしない」と語った上で「出稼ぎ帰りの日本の子は、ブラジル教師が頼りにならないと感じている」と批判。さらに「日本へ渡る子弟たちも、ブラジルの教師に慣れているためか、教師に相談することをしないのでは」と、在日ブラジル人子弟が抱える現状を分析した。
 研修先は、学校の日語教師、企業の事務職員を中心に、記者、ファベーラでのボランティア、工場でのライン作業など多種多様だ。村上慧さんは、アラゴアス州マセイオ市マツバラホテルで研修する。受け付け、レストランでの応対が主な仕事だ。「ブラジル人は電話の応対で、ポ語が分からなくても寛容。レストランでも、『失敗してもいいから何でもやってみろ』という雰囲気」と日々の生活を振りかえった。
 研修生たちは、研修テーマで、ブラジルを多様な切り口でとらえる。中水敬子さんは、パラナ州ロンドリーナ市、パラナ日伯文化連合会ロンドリーナモデル校で日本語教師として研修する。「ブラジルにおける出産形態」が研修テーマで、帝王切開が中心テーマだ。率が四〇%を越えるといわれる現状に対して「医者は、事故が起こった場合に、訴訟問題になる自然分娩を敬遠しがち。その上、帝王切開のほうが保険の関係で利益も高い。一方、妊婦側でも、日時が決められるので働く女性に有利で、痛みが少ない点が帝王切開率を高めているのでは」と語った。
 斉藤勇輝さんは、サンパウロ市、モンチ・アズール住民協会で研修する。日々ファベーラでボランティアとして研修中だ。「モンチ・アズールの子どもの記録~マテウスくんをモデルケースとして」がテーマ。ファベーラに暮らす、九歳の少年を母親の証言とともに記録している。「マテウス君の母親への家庭訪問を通じて、ファベーラの一面をのぞくことが出来た」と、成果を実感している様子だった。
 三日間にわたる、同センターでの研修を終え、二十一日サンパウロを出発。ボニート、パンタナールを観光し、残り五カ月に向けて新たなスタートを切った。

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