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ローランジアで開拓神社落成披露=土地の守り神祭るように=開拓先駆者を祀る=和太鼓演奏、民舞を奉納

1月7日(水)

 [パラナ支局]昨年十二月二十一日、ローランジアのパラナ日本移民センター敷地内で、パラナ州開拓神社の落成式が行われた。パラナ日伯文化連合会(嶋田巧会長)の事業である。同年四月、神社建設案が連合会で承認され、沼田信一さんを委員長に建設委員会が設けられ、数カ月の短期間で工事がすすめられ、落成した。
 沼田委員長によれば、建設の趣意は「日本ではどこの村にも氏神様があり、日本のお祭りは神社が中心になっている。ブラジルの日系コロニアでも開拓先駆者を祀り、コロニアの安泰を願ったらどうか。つまり、心のよりどころだ。これまで幸せを導く開拓神社の建設が忘れられていたのではないか」。
 沼田さんは、今後コロニアが安定した生活ができるよう仕向けなければならない、と考えている。移民百年祭ももっと楽な気持ちで、まごつかずに、難産させずに、挙行しなければならないと言っている。そのために忘れてはならないことがある。それが、まず氏神様的な開拓神社の建設だった。
 落成式典には、西森ルイス州議、ユーリス・モーラ・ロ-ランジア市長、日本企業のデンソー・ド・ブラジルの天野道夫ブラジル社長、連合会の役員、関係者、地元の人たち合わせて約二百五十人が出席した。
 嶋田会長は「わたしたちは、情熱と勇気を持ったすばらしい先駆者のみなさんのお陰で、今日の繁栄したブラジル国、また日系社会の恩恵を受けて生活ができている。そのことに心から感謝の意を表したい。今後は、先駆者たちが祀られた、この神社を二世、三世、四世、五世のみんなが手をつなぎ、心を合わせて、永久的に護っていただきたい」とあいさつした。
 来賓が祝辞。最後に建設委員長で、落成式の委員長をつとめた沼田さんが祝詞を読み上げ、参加者に謝辞を述べた。参加者全員が玉串をささげ、ローランジア和太鼓グループが演奏、ロンドリーナ三世グループによる民舞が奉納された。
 神社神殿の中央には五種の神具として、フォイセ、ペネイラ、プランタデイラ、エンシャーダ、マッシャードのミニチュアが額に納められ飾られている。
 開拓神社に、今回、祀られたのは―大武和三郎(元ブラジル公使館通訳官、ポ和辞典、和ポ辞典の著者)、杉村濬(三代公使、この人のブラジル紹介が大きく影響して日本人のブラジル移住が点火された)、水野龍(第一回移民を渡航させた人)、鈴木貞次郎(号・南樹。水野龍に誘われ、移民を世話する立場になった)、ジョルジ・チビリッサ(元サンパウロ州知事、日本移民導入の功労者)、カルロス・ボテリョ(元サンパウロ州農務長官、同)、アントニオ・コウチニョ・ゴメス・ペレイラ(元ブラジル海軍練習艦隊の司令官。南海のウエーク島で難破した日本船の乗組員を救助、横浜に送り届ける。救助されたなかに三浦鑿元日伯新聞社長がいたといわれる)ら二十人。
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 このあと、農業センターの大サロンに席を移して、天皇誕生日祝賀会が行われた。御真影に礼をしたあと、日伯両国国歌斉唱、文化連合会を代表して上口誠一氏が「陛下が七十回目の誕生日を迎えられたのはわたしたちブラジル在住日系人として、たとえることができないほどの喜び」と祝賀あいさつした。

 

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