ホーム | 日系社会ニュース | 援協45周年記念式典の〝舞台裏話〟=多額寄付者を十分待遇したか=清貧の宝田豊造さん=表彰状は受けたが…

援協45周年記念式典の〝舞台裏話〟=多額寄付者を十分待遇したか=清貧の宝田豊造さん=表彰状は受けたが…

  今月二十七日のサンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)の定期総会・創立四十五周年記念式典で、金塊十四キロ半を寄付するなど個人としては最高額の協力をした宝田豊造さん(八三、東京都出身)に対する主催者側の応対がまずかったのではないかと複数筋から批判の声が上がっている。
 宝田さんは、歯科専門の医療機器販売を手掛け、長年こつこつと貯金してきた。移民八十周年記念事業でもある日伯友好病院建設の趣旨に賛同して、協力を買って出た。金塊をはじめ、現金で二万二百ドル、二万クルゼイロスを寄付した。
 今は地下鉄ブラス駅近くの賃貸アパートで、一人暮し。妹はサントス厚生ホームに入所している。
 この日は、特別功労者として招かれた。援協は経歴などを紹介して、表彰賞状と記念品を渡した。それ以外は一般出席者と同等の扱い。祝宴でも、孤独に軽食をとっている姿が目立っていた。
 「こういう草の根で支援してくれる人こそ、大切にしなければならないはず。来賓席に座ってもらうぐらいの配慮があってもよい」
 そんな印象を受けたのは少なからずいたよう。「きちんと送り迎えまでするべき」と言い切る人も。
 野村丈吾元連邦下院議員やウイリアム・ウー市議など来賓の出席が強調されたため、主催者への非難が強まる恰好になった。
 これに対して、援協事務局は「宝田さんに対して、粗末は扱いをしたなんて絶対ありません。元気なうちは、医療費を支払うといって全額負担してくれる。本当にすばらしい人です」と抗弁。
 「友好病院で特別カードを発行、万が一のときは無料で直ちに診察が受けられるようにしています」と手厚い保護を保証している。

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