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恐喝事件=未遂でなく150万被害=聖総領事館 注意喚起し対策紹介

6月25日(金)

  【一部既報】未遂でなく百五十万円を騙し取られたことが新たに判明――。サンパウロ総領事館は二十四日、駐在員の邦人男性を誘拐したと偽り日本の実家に金銭を要求する恐喝事件について「未遂と発表したが、実は百五十万円が騙し取られていた」と発表した。前日には未遂で被害はなかった、としていた総領事館だが具体的な被害が判明したことを受け、「サンパウロでも同様の詐欺未遂事件なども起きている」などと注意を喚起。再発を防ぐための対策などを紹介している。
 同総領事館によると、二十二日夜、リオ市内に駐在する三十歳代の邦人男性の日本の実家に脅迫電話があった。「お宅の息子さんを預かっている。銀行の口座に二百万円を振り込め、振り込まない場合は、息子を殺す」などと家族に語った。また、「そこからの電話は監視している。外部に通報したら息子は殺す。家族が言うことを聞かなかったので、殺した例もある」と悪質な脅しも付け加え、遠距離に家族を持つ心理を巧みにつくのが特徴だ。
 電話は男によるもので、流暢な日本語を話していたという。当初、振りこみはしなかったと見られていたが、二十四日になってサンパウロ総領事館は、何度か振込みの催促があったため、家族は指定の銀行口座に二百万円を振り込んだことを確認した。不審に思った家族は、勤務先の会社を通じて事実関係の確認を要請していたが、振込み後に本人の無事が確認されたため、すぐさま銀行に引き出し停止を依頼したが、すでに百五十万円を引き出された後だった。
 その後、犯人から「あと五十万円はどうした」と電話があったが、本人の無事が確認されていたので相手にしなかったという。
 また、リオ市だけでなく、サンパウロ市の駐在員が日本に残す家族にも同様のポルトガル語による不審な電話が最近、続発しているという。
 同総領事館では、再発を防ぐため、駐在員に次の項目を留意してもらいと呼びかける。(1)自分の実家の電話番号、住所、家族構成は他人に話さない(2)こうした犯罪が流行していることを日本の家族に連絡し、同種の電話があったときには、まず本人か日本の本社に確認。安否が分からない段階で金を振り込まない(3)頻繁に家族と連絡を取り、疎遠にしない――などを対策として挙げる。
 問い合わせなどは同総領事館警備班(11・3254・0100)へ。

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