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■ひとマチ点描■ダンスは生きる力

2005年10月11日(火)

 社交ダンスと聞いて、映画「Shall we ダンス?」の世界を想像したが、「あれは英国式。ブラジルのはもっとおおざっぱ。踊りを楽しんで、かつ周りが驚くようなステップを追い求める」と話す。
 ダンサ・デ・サロンと呼ばれるブラジルの社交ダンス界の雄ジャイメ・アロシャが経営する学校が、サンパウロ市にある。奨学生として通う土屋和子さん=写真=は3月に狭き門を突破し、その資格を得た。
 「最高レベルの学校で認められた。外国人では初めてといわれました」
 ボレロ、ロック、サルサ…と多彩な音楽・踊りがある中で、ブラジルならではの魅力に詰まったものとして、サンバ・デ・ガフィエラを挙げる。いつか日本で教室を開設するのが夢だ。
 71年東京生まれ。幼稚園で働いていた。ブラジル日本交流協会の制度で、3年前に来伯。滞在中、失恋を経験し軽いノイローゼになったとき、「生きる力を与えてくれた」ダンサ・デ・サロンに出会った。帰国して進路に悩んだが、考えた末、戻ってきた。
 「びっくりしますよ、きっと」。見せてくれた手帳は予定でぎっしり。練習とパーティーの合間をぬって、以前在籍していた学校に助手として顔を出す。平日の午後は日系の幼稚園で日本語を教えている。
 「体を壊すぐらい打ち込んでいる。実際、この2年のうち半年はケガと病気で棒に振った。どう転んでもダンスで生きたい」(大)
     ◎
 12日、ヴィラ・マリアーナ区の北海道協会で初級者向けのダンス体験会を主催する。午後3時から。20レアル。問い合わせは7255・4712(土屋さん)。個人授業や、パーティーでのダンスの相手役にも応じる。

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