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施設の料理づくり講習会=援協、意見交換の場にも=調理担当者やホーム長集める=味噌汁の具で悩むことも

2005年12月07日(水)

 サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は十一月三十日、スザノ・イペランジャホーム(福島庄太郎ホーム長、入所者数約三十人)で各施設の調理担当者やホーム長を集めた、料理講習会を開いた。高齢者向けの食事に対する理解を深めようと、初めて実施されたもの。職員の意見交換の場にもなり、今後各施設持ち回りで料理講習会を続ける考えだという。
 日系老人ホームとはいえ、調理の現場で働くのは非日系人が少なくない。生活習慣の違いから、どうしても味付けなどに差が生まれてしまう。味噌汁ひとつをとっても、具とする食材に悩むことも。
 援協では以前、JICAシニア・ボランティアの宮城都志子さん(栄養士、サントス厚生ホーム)が着任中に精力的に活動。その後、日系人の栄養士を雇用し、高齢者向けの食事を徹底させている。
 イペランジャを会場に選んだ狙いについて、笠原定尚援協事務局次長は「スザノでは入所者一人一人の状況をきちんと把握した上で、食事を出している」と語った。
 この日の昼食メニューはフランゴ・アサード、シュシュのマリネ、揚げナス、カブの浅漬け、アルファセのサラダ。参加した各施設の調理担当者は、イペランジャホームの職員とともに料理をつくった。
 もちろん、各施設によって、入居者の介護レベルや食事内容は異なる。「塩・砂糖の加減を始め、お年寄りが食事をしている時の職員の対応方法などで、参考にすべき点がたくさん見つかったはず」(八巻和枝援協福祉部部長)。
 それぞれの施設が、自身のメニューや味付けを相対化させ、食事を改善させる機会にもなったようだ。
 「施設が情報交換を行うことで、仲間意識を高めることにもなり大きな効果があった」と、笠原次長は手応えを感じている。
 次回からは持ち回りで施設を回って、料理講習会を開き料理の腕を見せ合う予定。八巻部長は「本当はカフェ・ダ・マニャンから一日の食事を追いかけるのが理想的。将来は、そういう方向にもっていきたいと思っています」と話している。

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