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移民の人生「声」で残す=インターネット・ラジオ『ブラジル日和』=「貴重な資料になる」=想いを込めて毎週発信中

2006年2月10日(金)

 「声のライブラリー」。移民の歩んできた人生を「声で」後世に残そうと、インターネット・ラジオ「ブラジル日和」(櫻田博代表)が去年、八月から放送されている。サンパウロから世界へ―。百周年を二年後に控える現在、「このCDが家族間だけではなく、貴重な移民史料となるのではないか」。そんな想いを込めて発信している。
 主に一世をゲストに迎えての生放送。毎回、アットホームな雰囲気で「お茶の間」での談笑そのものだそう。現在(二月八日)までの放送は二十二回。主に、渡伯したきっかけや、その生い立ち、ブラジルでの生活など人生を語ってもらう。今までには、網野弥太郎県連元会長、記録映像作家・岡村淳さん、汎アマゾニア日伯協会の堤剛太事務局長などをゲストに迎えた。
 年末には聴取者へのプレゼントも。明石屋宝石店の尾西貞夫さんが宝石などを、園田昭憲さんは「姫マツタケ」を寄贈した。
 創始者はウェブデザイナーの櫻田代表(47)。移民百周年ホームページを運営している。現在は日本へ帰国。日本からもインターネットを通じて、ラジオの運営を手伝う。
 進行役は大久保純子さん(40、サンパウロ市在住)。明るい笑顔を声で届ける。国立国会図書館で、日系社会の貴重な史料として、山本喜誉司さん(ブラジル日本文化協会・初代会長)などの声がカセットテープに収められていることを知った。「これをヒントにラジオをしようと考えた。じっちゃん、ばっちゃんから聞けなかった大事な話を、録音したCDを通して知る一助になれば」。また、日本語の読み書きは難しくても、聞くことはできる二、三世は多い。CDから翻訳することも、本にすることも可能だ。
 「百周年過ぎても続く限りやっていく」。そう意気込む三世の高橋晃一さん(27、沖縄県生まれ)。現在は、ポルトガル語を勉強するかたわら、「文協ネット」の手伝いをするなど、日系社会に関わる活動もしている。櫻田代表の誘いで、「ブラジル日和」のスタッフとなった。
 「日本から移民してこられた方の人生は並大抵のものではない。成功した人の話ばかりではなく、生活感溢れる移民の話を聞いて行きたい」。スタッフ揃って、声の収集に励む。
 今後は、奥地への出張放送も視野に入れている。
 放送日は毎週木曜日午前十時半頃から(サマータイム)。約二時間。日本時間は午後九時半頃から。放送日は急きょ変更される場合もある。詳細は、http://www.100nen.com.br/radio
email:radio@100nen.com.brまで。

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