ホーム | 日系社会ニュース | 日伯つなぐ手助けに=JETプログラム=ブラジルから6人が訪日=「何かを持ち帰りたい」

日伯つなぐ手助けに=JETプログラム=ブラジルから6人が訪日=「何かを持ち帰りたい」

2006年3月31日(金)

 在サンパウロ総領事館(西林万寿夫総領事)は「語学指導等を行う外国青年招致事業」(JETプログラム)で訪日する管内の国際交流員四人を招き、二十九日午後一時半から、サンパウロ市内のレストランで懇談昼食会を開いた。
 JETプログラムは日本の総務省、外務省、文部科学省や自治体国際化協会の協力により、一九八七年から地方自治体が実施している事業で、昨年は四十四カ国から約六千人が参加している。ブラジルは九二年から実施しており、今までの参加者数は、六十一となっている。
 目的には、日本における外国語教育の充実を図るとともに、青年交流による地域レベルでの国際交流を通じて諸外国との相互理解を図り、日本の国際化に寄与することが挙げられている。
 参加した青年は、地方公共団体の国際交流部での勤務や、公立学校の語学指導に従事する。
 昼食会には総領事館から丸橋次郎首席領事、杉本麗名副領事が出席。丸橋首席領事は、「〇八年は日本移民百周年であり、日伯交流年。色々な形で仕事が出来るいい時期といえる」と両国間の懸け橋となることを期待、エールを送った。
 京都大学に留学、修士を取得した片谷カルロスさん(31、北海道帯広市国際交流課)は「日本でサンバを教えることもあると思い、レッスンも受けました」と笑う。情報誌の作成やイベント実施などに携わる。
 原口リリアンさん(29、石川県国際交流協会)は、ブラジル石川県人会との交流事業補助やポルトガル語の翻訳、語学講座も受け持つ。「今、授業に使う資料などを集めています」
 ポルト・アレグレと姉妹都市提携を結んでいる金沢市で勤務する矢吹鈴木メリッサさん(24、石川県金沢市都市政策局スポーツ部国際交流課)は、両市交流事業の補助業務や在日ブラジル人の行政サービスなどにも関わる。「看護大学で学んだコミュニケーション学を活かしたいと思います」とやる気を話す。
 グアタパラ移住地出身の大津クラウジアさん(33、兵庫県産業労働部)は、「仕事で日本へ行くのは初めて。何かをブラジルに持ち帰れれば」と抱負を語った。
 四人は四月十日に訪日し、ブラジルの代表としてそれぞれの団体で一年の予定で勤務する。
 相良クリスチーナさんが会長を務めるJET同窓会(OB会)ブラジル支部は四十六人のメンバーがおり、ブラジル帰国後も様々な分野で活躍、日本在住者も多いという。
 「同窓会も今年から活動を活発にしたい。両国をつなぐ何かの手助けになれば」と相良さん。同事業の継続性を強調した。
 この四人以外に、在ブラジル日本大使館推薦の畠野クリスチアーネさん(24、滋賀県彦根市市民環境部市民交流課)、ベレン総領事館推薦の高倉レジーナさん(31、岐阜県財団法人岐阜県国際交流センター)の二人も国際交流員として訪日する。

image_print